清水が好リード 開幕戦の屈辱晴らす

 「阪神5‐4広島」(9日、京セラ)

 勝利の瞬間、能見に肩をポンとたたかれると、阪神・清水の表情が和らいだ。悪夢の開幕戦から約4カ月。ようやく2人で笑顔になれる日が訪れた。

 約2カ月ぶりの先発マスクで、序盤から赤ヘル打線を封じ込んだ。1点リードの四回2死一、二塁のピンチでは、マウンドでゲキを飛ばす。早打ちの打線に対しても策を講じた。「カウントを悪くしたとしても、打ち気をそらしていきました」と細心のリードで、7回を最少失点に止めた。

 ともにお立ち台に上がった能見から、思わぬ“謝罪”を受けた。「開幕も一緒に組んで、それが清水のせいになって。申し訳ないなと…」。巨人との開幕戦で10失点。批判の的にさらされた、女房への素直な思いだった。

 清水自身、屈辱を反骨心へと変えてきた。「開幕があんなスタートだった。能見さんと組むときは特別な思いがある」。勝ちをつけたい。その一心で、リードを守り抜いた。

 その気迫はバットにも乗り移る。四回2死一、三塁から右前打で今季初適時打。貴重な3点目をたたき出すと、六回には中前打。この試合の前まで、わずか1安打の男が、今季初マルチ安打で勝利に貢献した。

 試合後の取材では「粘り強く」と3度繰り返した。正捕手の座を明け渡しても、粘り強く。清水は再び、自分の定位置を奪い取る。

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