梅ちゃん聖地初弾!虎止まらん6連勝

 「阪神3-1広島」(8日、甲子園)

 猛虎の進撃は止まらない!阪神が今季2度目の6連勝。プロ野球タイ記録の2試合連続毎回安打。主役はドラフト4位・梅野隆太郎捕手(23)=福岡大=の豪快な一振り。四回に大学時代からのライバル大瀬良からダメ押しの5号ソロ。球団では04年の鳥谷以来となる新人の聖地弾。売り出し中の梅ちゃんが、新風を吹き込んでいる。

 忘れられない感触となった。同期で同級生の大瀬良の直球を捉え、左中間最深部にたたき込んだ甲子園初本塁打。梅野がまた球団史に名を刻んだ。

 「この球場でいつ打てるんだろうかと思っていた。チームがいい流れの中で、相手に痛い1点となった、ということでは価値があるのかなと思う」

 1点リードの四回無死。1ボールから真ん中高めの147キロを強引に引っ張った。ライナー性の5号ソロ。じっとりとした梅雨の蒸し暑さも忘れる爽快な放物線だった。

 何としても打ちたい相手だった。大瀬良とは同じ1991年6月17日生まれ。福岡大2年時に九州共立大の大瀬良と日米大学野球でチームメートとなり、意識し合う存在となった。

 大学では公式戦での対戦はなかったが、練習試合での通算対戦成績は5打数3安打1本塁打。直球を二塁打、カットボールは本塁打にした。「お互いに負けたくない気持ちは自然と出てくると思う。そこに関しては打ちたい」。プロでの対戦を心待ちにしていた。

 だが、ここまでは先を越されていた。4月16日のマツダスタジアム。7回1失点でプロ初勝利を挙げた大瀬良の姿に目を奪われた。「今までに見たことがないぐらい、いい投球だった」

 さらに5月1日の初対戦は、2打数無安打2三振と完璧に抑え込まれていた。「ずっと三振でやられていたので…。なかなか打てる機会がなかったので、やり返せてよかった」。これまでの中でも特別な一発となった。

 阪神の新人が甲子園で本塁打を放つのは、04年の鳥谷以来10年ぶりだ。何より6連勝中はすべて先発で19打数5安打3本塁打4打点と大きく貢献している。和田監督は「バットに当たるとああいう当たりが出る。非常に魅力のある選手だと思う」。周囲の期待感は日に日に高まっている。

 岩田と自身初の聖地のお立ち台に上がると、期待に応えるように力強く言い切った。「チャンスをいただける限り、こうやって歴史を変えていける選手になりたい」。万雷の拍手の中、堂々と振る舞う姿に貫禄さえ感じさせた。

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