阪神・藤浪3回1失点 矢野監督、安定感評価「勝てる投手に変わった」

 「練習試合、中日1-8阪神」(27日、Agreスタジアム北谷)

 阪神・藤浪晋太郎投手(26)が27日、練習試合・中日戦(北谷)に2番手として登板し、今季最速158キロを計測するなど3回3安打1失点と好投した。矢野燿大監督(52)は「勝てる投手に今年は変わっているんじゃないか」と安定感を評価。開幕ローテ入りへ大きく前進した。

 ワインドアップ投法から最速158キロの真っすぐを投げ込み、打者や試合状況に応じて多彩な変化球をちりばめる。100パーセントの快投とはいかなかったが、藤浪がマウンド上で成長を示した。

 青柳の後を受けて4点リードの四回から登板し、いきなり先頭の京田に左翼線二塁打を浴びた。その後、1死三塁から阿部の打球を遊撃・山本が捕球できず左前適時打を献上。瞬く間に得点を奪われて球場に不穏な空気が漂ったが、「慌てずにしっかり落ち着いて」と続く高橋周を遊ゴロ併殺打に仕留めた。

 五回、六回も走者を背負いながら冷静な投球で踏ん張り、3回3安打1失点。「自分の中では良くもなく悪くもなくって感じ。意図したアウトを増やしたかったのが本音ですかね」と納得のいく42球ではなかったが、カットボールやスプリットなど変化球に手応えを感じる部分はあった。

 矢野監督は「自信が出ていますし、勝てる投手に変わっているんじゃないか」と安定感を評価。走者を出した後のクイック投法やけん制も含めて「全てに関してレベルが上がってきたなと感じています。大きく貯金をしてもらわないと、と思います」とシーズンでの大活躍を期待した。

 キャンプでは実戦3試合に登板し、計8イニングを投げて1失点。右腕は「自分のやりたいことはできた」と充実の表情で語った。高橋に加えて開幕投手に内定している西勇も離脱。エースの復帰時期が遅れれば初めて大役を任される可能性もあるが、今は目の前の試合だけに集中する。

 この日は予定の3回を投げ終えた後に「気になることがあったので」とブルペンで修正に励んだ。「これからバッターをどう抑えるか、ゲームをどう作っていくかがより大事になる」。完全復活を目指すプロ9年目シーズン。進むべき道ははっきりと見えている。

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