呉まさか2度目救援失敗に言い訳なし

 「交流戦、楽天4-3阪神」(3日、コボスタ)

 楽天ファンの大歓声を背中で聞きながら、阪神・呉昇桓は表情を変えることなく帰りのバスに乗り込んだ。まさかの暗転からの、痛恨の、来日初のサヨナラ負け。難しい流れではあったが、それを止めるのが仕事だからこそ、言い訳はしない。

 「(イニング途中の登板でも)難しいことはない。これが自分の仕事。準備はできていた」

 九回。完封ペースだったメッセンジャーが先頭からの連打で1点を失う。なおも続いた無死三塁のピンチ。ここでマウンドを託された。代打・ボウカーには中犠飛で1点差に迫られたが、聖沢を右飛に仕留めて2死無走者。このまま終われれば良かったが…。

 続く岡島は打ち取ったかに思われたが、高く弾んだ打球が二塁内野安打に。同点の走者を出し、一発サヨナラの状況での4番・ジョーンズにはストレートの四球で一、二塁。思い通りにいかない流れの中、迎えた牧田の場面だ。1ボールからの2球目、外角高めの直球を右越えの2点適時三塁打とされ、サヨナラ負けを喫した。

 前回、1日の日本ハム戦(札幌ドーム)では1回無安打で14セーブ目を挙げた。ただ、これで5月28日の西武戦(甲子園)での初黒星に続く2敗目に。呉昇桓にとって初めて投げる球場。中西投手コーチは、マウンドが合わなかったのかという問いに「リリーフはそんなこと言ってられない」とだけ話した。

 和田監督は「球自体は良かったと思うけど…。コースは分からないけど、芯でとらえられていたね」と振り返った。9カードぶりのカード初戦の勝利が目前に見えながらの敗戦。右腕への信頼は変わらないが、1週間で2敗した結果は、首脳陣はもちろん呉昇桓にとっても誤算となった。

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