俊介VS柴田CS中堅争奪戦 大和に渡さん

 「阪神2‐0ヤクルト」(23日、甲子園)

 俺たちを忘れるな‐。阪神・俊介が決勝打を放てば、柴田もバットと足でアピール。右手第5中手骨骨折で離脱中の大和がCSで復帰する可能性はあるが、ポストシーズンへ向けて中堅候補の2人が存在感を示した。

 6試合ぶりの先発となた俊介は試合を決めた。三回2死で西岡が中前打で出塁した直後。村中の初球だった。「直球をしっかり打とうと思った。来たらいこうと思っていた」

 真ん中低めの直球を強振。左中間に飛んだライナー性の飛球は、中堅・上田が差し出したグラブのわずかに横を抜けた。西岡が一塁から一気に生還する先制の適時三塁打。「僕は結果を出さないといけないので結果が出て、貢献ができてよかった」。8月23日の中日戦以来のタイムリーが、CS進出を決める一打となった。

 もう一人の中堅候補も黙っていない。柴田も魅せた。四回1死。2ボール2ストライクから3球ファウルで粘って、村中が投じた8球目の内角直球を中前に運んだ。

 続く清水の2球目には二盗に成功。さらにメッセンジャーへの初球がワンバウンドして、捕手・中村が一塁方向へはじくと、すかさず三塁も陥れた。吉竹作戦・守備走塁コーチは「彼なんかは自分の特長を生かしていかないといけないからね」。持ち味の俊足で魅せたプレーを評価した。

 2人の活躍はCSへ向けて明るい材料だ。大和は8月20日のDeNA戦での負傷以来、実戦から離れており、試合勘には不安を残す。和田監督は「CSへメンバー編成がある中で必死になって割り込もうとしている。あってはいけないけど、誰かが故障した時には頭(先発)からいける準備も含めてね」と台頭に納得顔。正中堅手の状態次第では、2人にチャンスが巡ってくる可能性は十分にある。

 俊介は力強く言った。「準備はしっかりしている。スタメンでも途中出場でも一つ一つが勝負だと思っている」。CSまで残り11試合。熱い中堅争いが繰り広げられる。

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