藤浪CS初戦先発浮上!打倒マエケン秘策

 阪神の藤浪晋太郎投手(19)がクライマックスシリーズ・ファーストSの初戦に先発するプランが20日、浮上した。現在3位の広島が相手の場合、初戦先発は前田健が有力。難敵・マエケンに勝つための秘策として中西投手コーチがルーキー抜てきの可能性を示唆した。この日の藤浪は甲子園で21日のヤクルト戦(甲子園)に向けて汗を流した。

 初のCSファーストS突破へ、広島が進出した場合の先発3人が早くも絞られた。中西投手コーチが「決まっている」と明言。さらに、ファイナルSまで先発5人で回す構想を披露した。

 その中で第1戦を藤浪が託されるかもしれない。対する相手に現在3位の広島が上がってきた場合、初戦は恐らく前田健が来る。ならばと、中西コーチは真剣な表情でスーパールーキーをぶつける可能性を示唆した。

 「マエケンに勝っているのは誰だ?(藤浪の先発は)十分にあり得ると思うけどな。後ろ2つに集中するという考え方もあるけど、あわよくばマエケンにも勝てればな」

 猛虎にとって前田健は顔も見たくない相手だ。今季6度の対戦で奪った得点はわずか、2得点。対戦成績では1勝4敗と大苦戦している。だが、この唯一の1勝をもたらしたのが藤浪だ。7月7日、マツダスタジアムで前田健と初めて投げ合った。この時点で1カ月以上、白星から遠ざかっていたが相手エースと同等に渡り合うことで見事に復活。広島打線を6回3安打無失点に抑え、5勝目を挙げた。

 大舞台での勝負強さも証明済みだ。高校時代は甲子園春夏連覇。プロ入り後も、敗れればマジック点灯を許すという8月4日の巨人戦(東京ドーム)で初先発初勝利の快挙を成し遂げた。「プレッシャーを感じるようなタイプではない」と同コーチの信頼は絶大だ。

 これまでも「初戦は秋山を行かせるか。2戦目にメッセンジャー、藤浪は3戦目か」と陽動作戦を仕掛けてきた。CSではペナントレースと違い、予告先発がないからだ。そのため、「絶対に名前は言えない。(広島の打順が)右左で変わってくるからな」。さらに「全員、同じ動きをさせる」と先発投手には直前まで同じ調整法を指示。過去3度の出場で1度も勝ち抜けていないファーストS突破のために情報管理を徹底する方針だ。

 この日、藤浪は21日のヤクルト戦(甲子園)に向けて、甲子園で汗を流した。負ければ、巨人の優勝が決まるがルーキーはどこまでも冷静だ。

 「マジック1になったら、ここからひっくり返すのはかなり難しい。自分は目の前の相手に集中したい。自分が勝っても、相手が勝てば優勝は決まるわけですから。そこは気にしないです」

 9月は2戦2敗だが、焦りはない。残りシーズンで弾みをつけてCSに向かう。

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