西岡、判断ズバリ!新1、2番が躍動

 「阪神1-2広島」(1日、甲子園)

 どんなに足の速い選手でも一度は止まる。簡単に判断できない打球だった。だが上本の打球が二塁後方にフラフラと上がった瞬間、阪神・西岡は敢然とスタート。捕球されれば併殺は免れない。それでも背番号7の打球判断に狂いはなかった。

 「守備位置と打球を見て。菊池君は守備範囲も広いけど、良いスタートが切れた」。読み通り、二塁・菊池のグラブは及ばなかった。芝生に弾んだ瞬間にはすでに三塁を回り、丸が捕球した時には同点のホームを駆け抜けていた。

 場面は1点を追う三回1死二塁。2死なら打った瞬間にスタートを切れるが、1死では判断が難しい。それでも日頃から守備位置、風の状況だけでなく、相手内野手が出すけん制球のサインまで見抜き、50%の確率を100%へ引き上げる西岡。その好走塁が相手に与えた影響は絶大だった。

 五回に2死から中越え二塁打で出塁すると、打者勝負の場面で広島バッテリーは上本の初球前にけん制球を入れた。5球目には捕手・石原からもけん制球が飛んだ。直後、マートンを打席に迎えても再び今井がけん制球を投げ、これが悪送球になって二、三塁と好機を拡大。広島サイドがやっきになって西岡の足を封じ込めにかかり、逆に相手のミスを誘発した。

 吉竹三塁ベースコーチは「自分の判断がしっかりしているし、決断力だね。プレッシャーという部分でこれからやっていかないといけない」と言う。首位・巨人に突き放された今こそやるべきこと。チームに新たな可能性を生み出し、CSで戦う相手に恐怖心を植え付けなければならない。

 西岡は「こういう野球を続けてね。きょうは1、2番として良いタッグが組めた。試合には負けたけど、良い方向性が見えた」と言う。三回には慣れない三塁守備で丸の三盗を阻止した際に左手をスパイクされ、流血するほどの裂傷を負った。だが「試合に出てるんで大丈夫。早く勝てる野球がしたい」。西岡が身を持って示した戦い方‐。残り29試合、一つもムダにはできない。

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