新井猛爆!4連勝呼ぶ3安打5打点

 「中日4-9阪神」(25日、ナゴド)

 阪神が中日に同一カード3連勝!開場以来初のナゴヤドーム5連勝を決めた。主役は背番号25。新井貴浩内野手(36)が3安打5打点で、打線を強烈にけん引した。初回に先制2点打を放つと、二回には2点二塁打。五回には15号ソロでダメ押しした。27日からは首位巨人との3連戦だ。勢いは十分。エンジン全開で敵地へ乗り込む。

 九回。ベンチから「狙える!」と背中を押された。三塁打が出ればサイクル安打達成。大勝ムードだったが、しびれる状況で5度目の打席を迎えた。「一番難しいのが残っていたので、厳しいとは思った」。2球で追い込まれ、最後はフォークを空振り。快挙締め、とはいかなかった。

 「意識はあった。一歩手前まではいくけど、ここからが難しい」。試合後は苦笑いを浮かべた。それでも、3安打5打点の活躍は、かすまない。ナゴヤドーム初の5連勝。新井が主役を演じた。

 8‐0で迎えた五回。フルスイングで、かっ飛ばした。大飛球が悠々と左翼フェンスをまたいだ。これでもかとばかり、バットを放り投げた。初回に左前へ2点打。二回に右中間へ2点二塁打。2カ月前にノーヒットノーランを達成した山井を序盤で粉砕すると、第3打席にとどめの15号。ど派手に3タテを決めた。

 「ここ2試合はお客さんだったけど、きょうはいい場面で打てて良かった」。1、2戦目は無安打。9打席快音から遠ざかっていた。「問題ないよ」。体調との関連を問われるとそう答えたが、肉体に黄信号がともっていることは、試合前の準備に表れていた。

 全体ウオーミングアップに2人の姿がなかった。36歳の新井と37歳の藤井彰。トレーナー陣は「疲れでしょ」と詳細を伏せたが、新井は首痛や全身疲労…。欠場した藤井も、万全ではなかった。

 チームを支えてきた同級生コンビは、活力の源をこう明かす。「チームの雰囲気がいいから」。その言葉通りなのか。もう笑い話だが、新井が青ざめるハプニングがあった。

 MVPに輝いた球宴の舞台裏。新井が初戦の地、札幌ドームに到着すると、バッグにユニホームのパンツがなかった。「うそだろ…」。契約メーカー担当者に電話をかけても、つながらない。こうなれば、最終手段。球宴組のチームメートに頼み込んだ。「はかしてくれんか」。能見のパンツをはいた。サイズが合わない。藤浪のパンツは…何とかなった。すると、「おい、これやろ!お前、自分で準備せえよ」。藤井が、バッグに隠し持っていた。ロッカールームが、一瞬で爆笑に包まれた。

 「あさってから楽しみ。目標ははっきりしている。皆でまとまって追い掛けたい」。復調したお祭り男が、抜かりのないスイングで王者に挑む。

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