藤浪、剛球&超遅球で見事な初球宴

 「オールスター・第2戦、全セ3‐1全パ」(20日、神宮)

 マツダオールスターゲーム2013第2戦で、全セの4番手として登板した藤浪晋太郎投手(19)が、大阪桐蔭の先輩、中田翔内野手(24)に2球連続で超スローボールを投じて、スタンドを沸かせた。最後は中田を空振り三振に仕留め、2回を1安打無失点。初めての球宴でも、虎の黄金ルーキーが存在感を示した。

 “藤浪新喜劇”に満員の神宮球場が笑いに包まれた。六回2死から迎えた大阪桐蔭の先輩、中田との対決。藤浪が強烈なボケをかました。中田への初球はなんと計測不能の超~スローボール。まさかの魔球?に中田も笑うしかなかった。

 これで終わらない。続く2球目、同じスローボールが中田の後方に大きくそれたのだ。バットを投げ捨て、マウンドに歩み寄る中田。帽子を取って謝る晋ちゃん。前代未聞の“乱闘劇”に谷繁は笑いながら止めに入った。このやりとりを見て、ベンチで大笑いしていたのはあの先輩だった。

 「ツヨシさんにスローボールを投げろと言われていたので(笑)。試合前に何かやれ!と言われていました。ツヨシさんが喜んでくれて良かったです(笑)」

 試合前まで中田に対して、宣言通り直球勝負するつもりでいた。だが、イタズラ好きな先輩が、「それじゃバッターが有利になる。何かやった方がいい!」と助言したのだ。さらに2球目は谷繁のサイン。百戦錬磨のベテランもマスク越しで、盛り上がっていたのだ。

 それでもその後は直球で真っ向勝負を挑んだ。「(カウント3‐1から)ボール球を振ってくださった。四球にならなくて良かったです」。最後はフルカウントから145キロの直球で空振り三振に仕留めた。

 大谷との対決は実現しなかったが、約束は果たした。交流戦期間中の6月中旬。札幌ドームのトレーニングルームでバッタリ顔を合わせた。久しぶりに再会した2人は、「オールスターに出られたらお互いがんばろう」と活躍を誓い合った。ともに夢舞台に立ち、そして沸かせた。

 「打順が回ってこなくて残念でしたけど、いずれまた対戦があると思うので、その時しっかり勝負できればと思います」

 六回から登板した球宴初マウンドは、2回を2安打1三振無失点。ボールが先行したため、2イニング目からはセットポジションに切り替えるなど四苦八苦した。「ファンの方の期待に応えるプレーはできなかった。点数?20点ですね」と自己評価は辛めだった。

 登板前のブルペンでは、「マエケン体操」を披露するなどサービス精神は満点だった。「勝ち負けが入っていなかったので、逆に難しかったですね」と最後には勝負師らしい言葉も残した。球宴は残り1試合。お祭り気分にもう少しだけ浸りたつつ、抜かりなく後半戦に備えていく。

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