藤浪、星野楽天&マー君に“仙”戦布告

 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(19)=大阪桐蔭=が14日、仙台市のKスタ宮城で行われた全体練習に参加した。16日の先発に向けて練習後、楽天・星野仙一監督(66)が自身を絶賛したことを伝え聞くと、闘将を驚かせる好投を誓った。当日はエース・田中将大(24)に投げ勝っての5勝目を狙う。

 虎が誇るスーパールーキーが日本のエースに投げ勝ち、闘将をアッと驚かせる。16日に実現する交流戦最後のビッグカード、藤浪VS田中。対決を間近に控えた星野監督は、新人ながら4勝を挙げる藤浪への賛辞を並べた。

 「高校生とは思えないね。抑える術(すべ)を知っている。性格もしっかりしてそうだ。大したもんだ」

 続けて「盛り上がるのが一番」と話す闘将は「高卒でもおっさんでも抑えられたら腹立つけど、球界にとってはいいこと」と球界の未来を担う新人の登板を歓迎した。

 この言葉を藤浪は、報道陣から伝えられた。まずは阪神を率いて03年に18年ぶりのリーグ優勝を果たした、今は敵軍の指揮官に敬意を表した。

 「タイガースの元監督でいらっしゃいますし、球界を代表するような監督さんにそういう言葉をいただくのは光栄です」

 さらに星野監督の期待に応えるように、きっぱりとこう言い切った。

 「だからといって、敵なので、星野監督を驚かせるようなピッチングができればと思います」

 投げ合うのは高校時代から尊敬する田中だ。今季、8勝負けなしのエースに投げ勝てばインパクトはより大きくなる。

 「尊敬するピッチャーの1人ですけど、試合になれば、そういうのは関係ないですし、厳しい試合になると思いますけど、しっかり粘って投げたいと思います。(田中を)気にせずというか、自分のピッチングをするだけです」

 あくまで対戦するのは楽天打線。相手投手によって自身の投球が変わることはない。いつも通り、自然体で先発マウンドに上がる。

 札幌から仙台に移動したこの日はキャッチボール、ダッシュで調整した。飛行機移動が続くが「普通に練習できてますし、しっかり練習できていると思います」。コンディションは良好だ。

 5勝目を目指す舞台は、2年前の東日本大震災で大きな被害のあった東北・仙台。「経験はしてないですけど、テレビとかニュースで見たので、東北の方に勇気を与えるプレーができればと思います」。晋ちゃんとマー君。夢の黄金対決が東北を、そして全国の野球ファンを熱狂させる。

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