藤浪神話!黒星“消滅”サヨナラ呼んだ

 「交流戦、阪神4-3ロッテ」(9日、甲子園)

 まさに黄金ルーキー、これぞ、持っている男だ。阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(19)=大阪桐蔭=は六回途中3失点で降板した。だが1点差の九回、マートンの逆転サヨナラ2ランが飛び出し、藤浪に付く寸前だった黒星が“消滅”。高校時代から継続する聖地・甲子園での不敗神話は今回も途切れなかった。

 サヨナラの瞬間、笑顔でベンチを飛び出した。藤浪の祈りは通じた。チームメートと歓喜し、殊勲者マートンと勝利のハイタッチ。最終回、土壇場で「甲子園不敗神話」は継続された。

 「マートンさまさまですね」

 開口一番、サヨナラ弾を放った助っ人へ、感謝の言葉を口にした。

 「打った瞬間、入ったと思いました。一発を信じていたので、すごくうれしかったです」

 聖地の女神は粘投したルーキーにそっぽを向かなかった。藤浪と甲子園の不思議な関係は、申し子でも説明がつかない。

 「う~ん、ほぼ負けのようなピッチングですし、何とか負けずに済んだのは、野手の方のおかげだと思います。負けなかったというより、これからしっかり勝てるようにしたいです」

 六回途中まで自己ワーストの12安打を浴びた。球数は自己最多の118球。要所で制球が甘くなり、1点リードの三回は井口に左中間スタンドへ運ばれ同点。六回には2死二、三塁から、サブローに左前へ勝ち越し適時打を許した。

 甘党の晋ちゃんでも、ロッテ打線は簡単に勝たせてくれるほど、甘くはなかった。小さいころはロッテ『コアラのマーチ』はもちろん、チョコレートが大好きだった。

 高校時代は『ブラックサンダー』にハマり、母・明美さんに寮まで届けてもらった。「弟と同じだけ買うんですけど、家ではいつも弟の分が残っていましたね」。成長するにつれ、味の好みはビターに。プロ入り後は、遠征先のコンビニでスナック菓子『プリングルス』を買って、小腹を満たしている。

 交流戦3度目の登板はほろ苦かった。それでも和田監督は“負けなかった”ルーキーを称えた。

 「晋太郎がよく3点で踏ん張ってくれた。結果として球数が多くなったけど、守備陣が足を引っ張った。守ってあげないといけないんだけど。十分じゃないかな」

 次回は16日・仙台での楽天戦に先発する予定だ。その日は同じ登板間隔でエース・田中が先発する可能性がある。日程消化が順調なら、チームの交流戦最終戦となる。その節目で球界のエースと投げ合い、自身の5勝目で飾ってみせる。

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