柴田結果出した!387打席目のプロ1号

 「交流戦、ロッテ6‐6阪神」(22日、QVC)

 鋭くバットを振り抜いた。手元に残る確かな感触。ただ、それに感じ入るいとまもなく阪神・柴田は一塁へ駆ける。そして、視線の先にある白球が右翼ポール際へと消えた。プロ5年目、出場187試合、387打席目で飛び出した初本塁打だ。

 「体が勝手に反応して、それが一番いい打ち方になった」。1点を追う四回だ。新井良の2点中前打で逆転に成功し、なお2死一、二塁。打席へ向かう前の柴田に、関川打撃コーチが声を掛ける。「バッティング練習のような精神状態で行け」。その言葉が、自然と力みを消してくれた。

 「あれで、スッと打席に入れました」カウント1ストライクからの2球目。内角高めのストレートをとらえての3ラン。ベンチ前で待ち受けた仲間たちと、今や名物となった外野方向を指し示し両手を高々と掲げるパフォーマンス。中心で、柴田の笑顔がはじけた。

 今季は福留が加入し、激化した外野手争い。後れを取った柴田は、開幕を2軍で迎えた。思い出すのは春季キャンプに訪れた恩師、国際武道大の岩井美樹監督の言葉だ。「お前、大学時代にそんな打撃をしていたか」。

 岩井監督は「柴田は引っ張る打撃が最大の持ち味」と話す。さまざまな役割を求められる中で、自然と小さくなっていた打撃。それを見つめ直した。好調な打撃を買われ、17日に1軍昇格。今季2試合目のスタメンで、最高の結果を出した。

 勢いは止まらない。六回2死一塁は右前への安打。そして、八回1死からは中前打を放ち、3安打猛打賞の活躍だ。「自分の気持ちをコントロールして、強引にならず、謙虚に、はじき返すことを意識した」と柴田。本塁打だけでは終わらない。大きなアピールとなったのは間違いない。

 勝利にはつながらなかったが、「今日だけではない。明日もあるので切り替えて行きたい」と話す。紆余(うよ)曲折を経た26歳が、限りあるチャンスに大きな輝きを放った。

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