虎3連発伝説の日に屈辱返し…4発大敗

 「巨人8‐1阪神」(17日、東京ド)

 伝説の日に敵討ちにあった。阪神が巨人打線に4発を浴びるなどして8失点。大敗で連敗を喫した。打線は完封負けを阻止するのが精いっぱいだった。1985年の甲子園での「伝統の一戦」で、バックスクリーン3連発が飛び出したのは同じ4月17日。あれから28年。一発攻勢でやり返され、屈辱にまみれた。

 血塗られた記念日。猛虎史に燦然(さんぜん)と光り輝く伝説の日が、大敗に汚された。85年4月17日、伝統の一戦でバース、掛布、岡田が球譜に刻んだバックスクリーン3連発。あれから28年。タテジマが宿敵に4発で沈められた。

 器の狭さは言い訳にできない。両軍均等の条件。一撃を食らったスタンリッジの分身は、いずれも高かった。本塁打を封じるには低めに制球することが最低条件。戒めを破った代償が、外野フェンスを飛び越える悔恨の放物線となった。

 疑問符が浮かんだ。3点ビハインドの五回、1死。9番の打順でスタンリッジがそのまま打席に入った。当然、安打が計算できる確率は低い。「スタンも状態はそんなに悪くなかった。その意味とは別だけど」と和田監督は説明した。対杉内。2死無走者からと残り4イニングの攻撃で逆転できると踏んだのか。それとも、まだシーズン3度目の登板で、次回対戦を踏まえての決断だったのか。

 皮肉にも、続投を選択した五回に致命的な4点目を失った。1死一、三塁で阿部。内野陣は通常シフトを敷いていた。3ボール1ストライクから、ファウルを経てフルカウントになった。一走・坂本が併殺阻止を狙って走ることは想定の範囲内だったはず。だが、首脳陣は前進守備に移行させず、真正面に飛んだ二ゴロの間に三走・松本哲が本塁を駆け抜けた。

 「作戦上のことだから言えへん」。黒田ヘッドコーチは内幕を明かすことはなかった。ただ、失った流れはあまりにも大きかった。六回には2死一、三塁から、屈辱の重盗を決められた。好き勝手に戦況を動かされ、七回には3番手・歳内がボウカーにトドメの2ランを浴びて終止符が打たれた。

 「昨日から5発食らってるのは同じ高さ、同じ球種。大胆にいかないといけないけど、細心の注意を払う両方を持ち合わせていないと。この球場では…」と和田監督。敵地で喫した連敗で借金生活に再転落した。3タテを許せば、30イニング連続無失点を飾った聖地の栄光がかすんでしまう。猛虎の意地にかけて勝ってくれ。切なる願いだ。

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