岩田背信の初回6失点で無期限2軍降格

 「阪神1‐6DeNA」(13日、甲子園)

 虎党の期待は、あっさりとしぼんだ。阪神先発の岩田稔投手(29)が初回に6失点。7日の広島戦(甲子園)の八回から続いたチームの連続イニング無失点記録は41で止まった。当然、チームの連勝も3でストップし、勝率5割に逆戻り。今季3試合連続で初回に失点した岩田は、無期限2軍調整が決まった。

 失望の代償。背信左腕に告げられた無期限の2軍降格。首脳陣は重い処分を下した。初回の6失点に、マウンドで苦悩の色を浮かべる岩田。中西投手コーチはあえて、マウンドに足を向けなかった。何回、同じ失敗しとるんや‐。

 期待に満ちた異様な空気は確かにあった。4試合零封を含む41イニング連続無失点。今日もやってくれる。どこまで記録は伸びるのか。熱を帯びた視線が戦場に注がれた初回。だが、わずか数分後にため息が銀傘に跳ね返った。

 1死二塁から多村の中前適時打で記録が途絶えると、攻めの姿勢を感じさせなかった連続四球。内野ゴロで2点目を奪われ、連続適時打。藤井の二ゴロを西岡がトンネルしてさらに2点を失ったが、これも岩田の乱調が招いた悪循環のひとつといっても過言ではない。

 悪癖を解消できない。今季は3試合連続の初回失点。立ち上がりの悪さは昨年来の課題。またも…。二回以降をほぼ完璧に抑えただけに、ヨーイドンで失った点数と流れの大きさが如実に浮かび上がる。

 「今回だけじゃなくて同じことを繰り返してる。前回とあまり変わらんね。入り方、ヤラれ方が変わりない。立ち上がりの悪いピッチャーなんだから、そこを克服していかないと。今年だけじゃなく、去年もだからね。そこら辺をちゃんとやっていかないと」。和田監督の口を突く苦言の連続。失敗と反省を生かせない戦犯を厳しく糾弾した。

 試合後のコーチ会議で選択された再調整の道。「フォーム的にも良くならんと球も良くならない。本来のボールが来るようにならんと上げない。必ずいる選手なので、急がば回れじゃないけど、早めに処置しないといけない」と中西投手コーチは決断の裏側を説明した。

 「無駄なフォアボールが…。点を取られないようにすごく意識してるんですけど、うまくいってない」。重ねる試行錯誤がプラスに転じないジレンマを抱える岩田。ただ、失格は再生の転機になる。中西投手コーチの言葉に潜む期待感。走って、投げて、もがき苦しめばいい。ゼロからの再出発。この機会を生かすも殺すも、岩田の身の振り方ひとつだ。

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