藤浪に開幕相手から“けん制球”ヤ

 「阪神春季キャンプ」(6日、宜野座)

 燕が虎にけん制球だ!ドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=が、第1クール4度目となるブルペン入りを果たした。開幕カードの相手となるヤクルトの伊藤智仁投手コーチ(42)ら首脳陣3人が視察。黄金右腕の実力を認めながら、開幕ローテ入りは時期尚早と虎をけん制した。

 鋭い視線が、ブルペンの藤浪に向けられる。開幕カードで対戦するヤクルト。その相手から伊藤投手コーチをはじめ、中西バッテリーコーチ、城石内野守備走塁コーチ、志田スコアラーが、送り込まれた。

 この日は初めてベテラン捕手・日高を相手に、立ち投げで直球のみを50球。燕の刺客が見つめる中で、力強い球で、ミットを鳴らし続けた。これまで巨人を筆頭に、他球団スコアラーをうならせ続けた藤浪。だが、伊藤コーチからは、これまでと違う趣の言葉が出た。

 「だいぶ、疲れているんじゃない?球がばらついていたし、(フォームも)横ぶりになっていた」と分析。順調に進めば、開幕ローテ入りとなる右腕に「まだまだ、細かくやるべきことはある。そんなに焦らない方がいいのでは」と指摘した。

 だが、これも藤浪の力を警戒してのけん制球だ。「体も大きいし、上半身、下半身の使い方もうまい。長い腕もうまくたたんで投げている」と、藤浪の能力の高さは感じている。優勝争いをする上で、藤浪が覚せいすれば脅威となるのは必然だ。

 それだけに「まずは1年間、プロの試合数に対応すること。マー君のように、(1年目から)能力だけでできる投手も、その後に細かいことを覚えていったから」と、侍ジャパンのエースとなった楽天・田中を引き合いに、開幕ローテ入りを危ぐする言葉を並べた。

 そんなライバルのけん制も、黄金右腕の成長は止められない。第1クールを終え、藤浪は「いい感じで終えられた。流れをつかむという意味では、充実した練習ができた」と自信をのぞかせる。

 そして中西投手コーチも「6日間の一番長いクールを、しっかりこなした。予定通り」と、順調な滑りだしに及第点を与えた。他球団の賛辞の言葉も、揺さぶりも、その右腕1つで振り払う。未知の可能性を秘めた藤浪が歩む、開幕ローテへの道。視界は良好だ。

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