遠藤9勝目 大関琴奨菊撃破へ気合

 「大相撲初場所・11日目」(22日、両国国技館)

 ホープ遠藤が臥牙丸を上手投げで下し、9勝目を挙げた。遠藤は早くも12日目の結び前に大関戦が組まれ、勝ち越しでかど番脱出をかける琴奨菊に挑戦する。横綱白鵬は関脇琴欧洲を上手投げで退け、11連勝。大関鶴竜が豪風を突き出して10勝目を挙げ、1差で白鵬を追う。琴欧洲は5敗目を喫し、今場所10勝での大関復帰へ後がなくなった。

 普段より一層気合が入った。遠藤は立ち合いで狙いすましたように右上手を引き、左も差す。瞬時に切れ味鋭い上手投げ。体重203キロの臥牙丸を土俵上に転がした。

 連日のセンス抜群の取り口に、館内からこの日一番の大歓声が沸き上がる。「思った通りの相撲だった。投げで崩してと思ったら、その延長線で決まった」と冷静な口調で振り返った。

 気合が違ったのは、取組前に12日目に大関琴奨菊戦が組まれたことを知っていたからだった。「今日気を抜いた相撲を取ったら明日につながらないと思った。明日の対戦が分かっていたからこそ、ああいう相撲が取れたと思います」。明日を見据えて今日の相撲を取る。ここでも非凡な才能をのぞかせた。

 昨年の大阪場所でデビューしてから、わずか6場所で実現した大関戦。幕下付け出し初土俵の最速大関戦勝利は、長岡(後の大関朝潮)が1979年初場所で貴ノ花に勝って以来となる。

 北の湖理事長(元横綱)は「明日は遠藤が本当に力をつけたか分かる。琴奨菊を止めれば面白い。勝機はある」と番狂わせに期待。若武者は「明日はいい経験になるし、勝ち負けではなく、思い切り向かっていくだけです」。いよいよ出世ストーリーの本章が始まる。

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