蒼国来の復帰決定「うれしくて感動」

 日本相撲協会は3日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、八百長問題をめぐる裁判で解雇無効の判決が下った元幕内蒼国来の恩和図布新氏(29)=中国出身=に対する控訴断念と現役復帰を正式決定した。蒼国来は27日の横綱審議委員会の稽古総見から協会の行事に加わり、名古屋場所(7月7日初日・愛知県体育館)に西幕内15枚目で復帰する。協会は八百長問題当時の調査方法の妥当性を今後、危機管理委員会で再検証する。

 蒼国来が超異例の復帰を果たした。「この2年間、つらかった。心に響く言葉でした。うれしくて感動しました」。臨時理事会後、師匠の荒汐親方(元小結大豊)と一緒に北の湖理事長(元横綱)と面会し、「申し訳ない」と頭を下げられた。

 ブランクを考慮されて復帰は7月から。番付は解雇時と同じ西幕内15枚目。協会側の最大限の配慮に「支えてくれた方に恩返しして、協会にも必要とされるよう、今まで以上にいい相撲を取りたい」と感謝を口にした。

 荒汐親方は時折、声を詰まらせながら、「一人でもえん罪を救えてうれしい。最初から信じて疑わなかった」と振り返った。「すぐ息が上がるようだ」とブランクの影響を心配して、関取との申し合い再開は5月末にする方針だ。

 2日に東京・中央区の部屋への引っ越しを済ませた蒼国来。会見前には故郷の親族に復帰を報告した。弁護団からは新しい化粧まわしが贈られる。行事への復帰は27日の稽古総見からだが、26日の力士会であいさつに出向くことも考えられる。

 この日を信じて、ジムに通い、社会人ラグビーチームに交じって体を鍛えてきた。会見中は表情を崩さず、空白の2年間を取り戻すために、土俵を見据えようとしていた。

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