元幕内・蒼国来の解雇無効、現役復帰へ
大相撲の八百長問題で解雇処分となった元幕内蒼国来の恩和図布新氏(29)=中国出身=の地位確認訴訟で、東京地裁が八百長と認めず解雇無効との判決を下した件で、日本相撲協会が判決を覆すだけの証拠が乏しいために控訴を断念することが25日、同協会関係者の話で分かった。
同協会は4月上旬に臨時理事会を開いて正式決定する。元蒼国来の現役復帰は確実となり、早ければ幕内力士として夏場所(5月12日初日・両国国技館)で土俵に上がる。元蒼国来が最後に番付に載った2011年初場所は東前頭16枚目で8勝7敗だった。
相撲協会は弁護士ら数人による検証チームを発足させ、敗訴の要因となった八百長調査の不備などを調べるという。
まげを結い、淡い緑色の着物姿で判決を聞いた。力士としての地位と名誉を取り戻す大きな一歩。元蒼国来は解雇無効の判決を勝ち取り、会見で「この2年間、本当に長かった。私は(八百長を)やったことがない。一日も早く相撲に戻りたい。(相撲協会に)もっとちゃんと調査をしてもらいたかった」と切実な思いを吐露した。
11年4月11日に協会から引退勧告を受け、同13日の期限まで引退届を提出せず、同14日に解雇処分となった。協会の特別調査委員会は、一連の八百長の仲介役だった元幕下恵那司と元竹縄親方(元幕内春日錦)の供述に基づき、元蒼国来が10年夏場所の春日錦戦で八百長をしたと認定した。争点は2人の供述の信頼性だった。
東京地裁は、元春日錦の供述には多くの疑問点があり、元恵那司は元蒼国来と元春日錦を仲介した記憶がないと供述していると指摘。「過去に八百長に関与したことがうかがえるが、春日錦戦が八百長だったと認めるには十分でない」とした。
協会の北の湖理事長は「判決を真摯に受け止め、危機管理委員会を中心に原因を検証したい」とコメントした。
最後の本場所となった11年初場所は、東前頭16枚目で8勝7敗と勝ち越した蒼国来。復帰を認められれば、幕内15枚目格付け出しなどの配慮が予想されるが、先行きはまだ見えない。
