大鵬さんは体罰禁止 大嶽親方が明かす

 大相撲の大嶽部屋(東京・江東区)が6日、春場所(3月10日初日、大阪・ボディメーカーコロシアム)に向けて稽古を再開。大嶽親方(52)=元十両大竜=は、19日に死去した元横綱大鵬、納谷幸喜さん(享年72)から“体罰”禁止を課されていた秘話を明かした。

 部屋を創設した大横綱の死去から約2週間。部屋頭のエジプト出身力士、幕下の大砂嵐らが申し合いなどで汗を流した。先月31日に葬儀を終え、大嶽親方は「いつまでも引きずっていくわけにはいかない。みんなが勝ち越して恩返ししたい」と話した。

 ただし「弟子にまだ自覚が足らない」と嘆き節も。スポーツ界を揺るがしている体罰問題。思い出すのは2010年に部屋を継いだ際、納谷さんから「今の子はゲンコツしても通用しない。抑えなさい」との言葉。教えは胸に刻んでいるが「周囲からは甘いと言われます」と、ため息をついた。

 自身の現役時は稽古中の殴打は当然、土俵で倒れ込むと兄弟子から口の中に砂を入れられた。「厳しくされて僕は感謝しています。でも、結局は受け取る側の問題。正解はない」と話した。部屋継承後初の関取誕生を目指し、試行錯誤が続く。

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