ドラマ、声優と大躍進中の俳優・古川琴音、名字のルーツ そもそも川の「古い」「新しい」とは?「ふるかわ」「こがわ」の違いは?
2023年に「どうする家康」で大河ドラマに初出演したのち、今年はNHKの夜ドラ「ミッドナイトタクシー」に主演したり、アニメ映画「花緑青が明ける日に」で声優(主演)を務めたりするなど、近年ますます注目を集めている古川琴音。
「古川」は名字ランキング106位というメジャーな名字である。その由来は文字通り「古い」「川」。では、川の「新しい」「古い」とはどういうことだろうか。
現在の川は流れがまっすぐに直され、川岸はしっかりと護岸されていることが多い。それでも、とんでもない量の雨が降ると、川の水が岸からあふれて洪水を起こすことがある。
近年は線状降水帯が発生して1時間に100mmといった信じられないような雨量を記録することも珍しくなく、毎年夏になると各地で洪水のニュースが流れる。
一方、昔の川は護岸などされていなかった。
高低差の少ない平野部分では川は蛇行して海に向かい、河口に近い部分では幾筋もの流路がある、いうことも珍しくはなかった。
こうした場所では、上流で大雨が降ると一気に水嵩が増して川岸を超えてしまう。あふれ出した大量の水は平野を蛇行しながら下流に向かい、新たな流れを形成した。
こうしてできた新しい川の流れを「今川」といった。そして、もとからあった流路は大部分の水を失って小さな流れとなる。これが「古い川=古川」である。やがて新しい川からの水の流入が止まると池や沼となっていった。
雨の多い日本では、江戸時代以前には各地にこうした場所があった。従って「古川」は各地にあり、こうした場所をルーツとする名字としての「古川」も、沖縄を除く全国に広がっている。
人口比でみると、日本一「古川」が多いのは佐賀県。ここは佐賀平野が広がり、地図を見ると無数の細かな流れがあることがわかる。
そして、2番目に高いのが青森県だが、実は青森県では「古川」の4分の3が「ふるかわ」ではなく、「こがわ」と読む。とはいえルーツに違いはなく、「こがわ」は青森県独特の読み方である。
◆森岡 浩 姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。学生時代から独学で名字を研究、文献だけにとらわれず、地名学、民俗学などを幅広く取り入れながら研究を続ける。2017年から5年間NHK「日本人のおなまえっ!」のコメンテーターを務めた。著書は「47都道府県名字百科」「全国名字大事典」「日本名門名家大事典」など多数。
