保護した猫は、首が伸びずカチカチだった なぜ?飼い主の「無自覚」が残した深い傷

大阪府豊能郡能勢町を拠点に活動する動物保護団体「NPO法人アニマルレスキューたんぽぽ」さん(@animaltanpopo)が、首に深い傷を負った黒猫を保護したことを報告しました。

この黒猫は3~4歳ほどの男の子。まだ若く少し怖がりですが、優しくなでると少しずつ心を開いてくれるそうです。首輪は、飼い主が存命の頃に黒猫の体が今よりも小さい時につけられ、そのまま成長とともに首に食い込みました。

■捕獲の時に感じた「異変」

団体が現場でこの黒猫を捕獲しようとした際、首をつかんでも皮膚が全く伸びず、固くカチカチに硬化していたといいます。通常の猫とは明らかに違う感触に驚き、両脇を抱えて捕獲する方法に切り替えたそうです。既に首輪は飼い主の親族によって外されていましたが、傷跡は深く残り、これからも消えることはないといいます。 

■ もし気づかれなければ命を落としていた可能性も

この黒猫の傷は、幸い首輪が外されたことで自然に改善していましたが、もし外されないままだったら、毎日の痛みやかゆみで精神的な苦痛を抱え、感染症を起こして命に関わる事態になっていたかもしれません。団体は「虐待するつもりがなくても、飼い主の注意力や想像力の欠如が動物たちを苦しめ、時には命を奪うことさえある」と訴えます。

■ 「首輪の締めつけ」は繰り返されている

たんぽぽの本田代表は「これまでも首輪が食い込み、化膿した犬猫を何度も保護してきた」といいます。

過去には、子犬の頃につけられた首輪が成長とともに皮膚に食い込み、化膿して重症になった野犬や、飼い猫が脱走して捕獲した際に首輪が食い込んでいたケースもありました。「家族全員がいても気づけない人もいる。これは年齢ではなく飼い主の資質の問題です」と話します。

■黒猫には新しい家族を

保護された黒猫は現在、去勢手術やワクチン接種、血液検査、マイクロチップの装着も終えました。優しく寄り添い、安心できる新しい家族を探しています。

今回の現場では野良猫3匹のTNR(捕獲・不妊去勢手術・元の場所に戻す)を行う予定でしたが、人馴れしていたため虐待防止の観点から全頭を保護。さらに空き家に残されていた高齢犬1匹と猫2匹、合わせて計6匹を保護したといいます。

■ 「小さな首輪」から学ぶべきこと

本田代表は改めて呼びかけます。

「首輪を付けっぱなしにしないことはもちろん、ペットを飼う上での小さな注意や想像力が動物の命を守ります。私たちはこれからもできる限りの力で、苦しむ動物たちを救い続けたいと思っています」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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