総工費700万円のリノベーションの結末は 2LDKのマンションを「広々ワンルーム」にしてみたけれど…50代主婦の後悔

あなたは、今の部屋に満足していますか?現在マンションや中古戸建をリノベーションで新たに部屋を一から綺麗にすると言う事が増えています。間取りを自由に変更できたり、キッチンや水回りなどを一新して内装は新築同様の仕上がりになります。しかし、リノベーションにも思わぬ落とし穴がある可能性があります。

■子どもが出て行った事により、家の一室が空き部屋に

Aさん(愛知県在住、50代、食品メーカー勤務)は、息子(社会人3年目)が1人いる50代前半の主婦で、平日は近くの食品メーカーの事務員として働いています。

15年前に購入した2LDKのマンションに住んでいましたが、子どもが東京に転勤となり、家を出て行くことになりました。それにより元々子どもが使用していた部屋が空き部屋になりました。

■同僚から話を聞いて、思い切ってリノベーションをすることに

そんなある日、職場の同僚から自宅をリノベーションした話を聞きました。使っていなかった和室をLDKの一部にする事で、テレワークのスペースもある広いLDKにリノベーションしたという話です。

「最初は部屋数を減らしてしまうことに抵抗があったけど、思いきって和室を無くしたことで、広いリビングに友人を呼んだり、部屋でこもって趣味の読書をしていた夫もLDKのワークスペースを書斎のように使うようになり、LDKが人が集まる場所になったよ!使ってない部屋は物置にしておくだけじゃもったいないよね!」

息子の部屋が空き部屋になっている事が気がかりであったという事もあり、早速夫に同僚がリノベーションをした話をして相談したところ、夫も乗り気で相談に乗ってくれました。

元々、明るくて広いリビングに住む事が夢だったこともあり、無駄に1室余らせるくらいなら、うちも思い切って2LDKの壁をぶち抜いて、リビングの広いワンルームにしようという決断になりました。

フルリノベーションを総工費700万円程、2カ月でリノベーションは完了しました。結果、元々大きな窓がないリビングだったので、部屋の壁をぶち抜いた事によりとても明るくなり、LDKの広さも25帖ほどの広いリビングに仕上がり、完成したばかりは夫婦ともに大変満足しました。

■リノベーションに満足したと思ったら…

しかし、住みはじめてみると何点か問題点も見つかりました。

1つ目は、冷暖房の効率が悪いこと。春先に工事が終わり、住み始めた頃はあまり気にならなかったのですが、夏になりエアコンをつけた所、容量がかなり大きなエアコンを付けているにもかかわらず涼しいと感じるまで1時間以上かかりました。冬場の暖房は2時間以上かけないと部屋が暖かくなりません。リビングが寒い、暑いと感じるのは普段から不便しています。

2つ目はベッドルームがリビングから丸見えなこと。ワンルームにした事もあり部屋にオンとオフの切り替えが出来ない事に生活してから気づきました。来客が来た際に見えてほしくないベッドルームなどが見えてしまい、かなりの生活感がダダ漏れになることです。

■断熱のため「室内窓」を設けてみては

こういった問題は住み始めなければ気づかなかった事でもあり、リノベーションしてからでも対処する方法はあったのでしょうか?

中古マンションリノベーションを手がけるアルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして活躍している川本麻登さんにお話を伺いしました。

ーー広いワンルームにしても、冷暖房の効率を良くする事は可能なのでしょうか?

結論から言うと可能です。しかし、25畳近くのお部屋を何も対策なしにエアコンだけで対処しようとすると、悩まれている通り、エアコンや暖房などのききが悪くなってしまうと思います。

ですので、そういう時は、室内窓をおすすめしております。マンションは窓や玄関の開口部から、暖気やエアコンの冷気などが逃げてしまいます。そこで室内窓を設置する事により、既存の窓との間に空気の層をつくり、外気の影響を受けにくくする事ができ、冬は暖かく、夏は涼しい室内環境を整える事ができると思います。

私のお客様も同じく悩まれている方が多く、室内窓だけ設置する工事をいただく事も多々あります。

タイミングによっては補助金などもあるので活用して頂くのが良いかと思います。

ーー生活感がダダ漏れになってしまった事は対処可能なのでしょうか?

間取りをワンルームにしてしまうとそうしてもそういった問題が起きてしまうと思います。

そういった場合はリビングとベッドの間を家具で隔てる事で緩く空間を間仕切る事ができるので、リビング側からベッドが見えなくなることでプライベートな空間を守る事ができます。

また、お部屋の一体感を無くさない為に、カーテンなどの開閉できるもので、間仕切る事もできます。日常生活はカーテンを開けたまま使い、お客さんが来るときなど目隠しがしたい時にはカーテンを閉じる事によりプライベートのオンとオフを切り替える事ができます。

私のワンルームにリノベーションしたお客様もベッドルームになる所を専用のカーテンが引けるように工夫してリノベーションしました。ですので、リノベーションのプランの段階でそういった提案が受けれる所だとよかったかもしれませんね。

◆川本麻登(かわもと・あさと)アルファホーム名古屋株式会社・マンションコーディネーター

(まいどなニュース特約・ヨシダ コウキ)

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