街の「からあげ屋さん」増えすぎ? 2017年から2倍増、コロナ禍もブーム後押し…ただ「そろそろ淘汰の可能性も」

みなさんは最近、「からあげ屋さん」が増えたと感じていませんか?新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの飲食店が打撃に見舞われている中、人気を集めているといいます。「からあげ屋さん」を営む企業は、2021年9月末で235社にのぼり、ブームになる前と比較すると約2倍と大幅に増えたそうです。

「東京商工リサーチ(TSR)」の保有する企業データベース(約390万社)で、「からあげ」専業及び関連事業(営業種目や業績変動要因(主要分)に『からあげ(表記ゆれ含む)』類の記載があるものを抽出、分析。2021年9月末で「からあげ屋さん」を運営する企業は235社で、コロナ前の2019年9月末から45社(23.6%増)増加。また、ブームになる前の2017年3月末の109社からは、2.1倍と大幅に増えたことがわかりました。

「からあげ屋さん」235社の本社所在地は、最多が九州の96社(構成比40.8%)でした。次いで、関東の47社(同20.0%)、近畿の35社(同14.8%)の順となりました。九州の県別では、福岡県がトップの44社。次いで、唐揚げのメッカとして知られる大分県が35社で続きました。

資本金別では、「個人企業他」が118社と最多で、半数以上(構成比50.2%)の結果に。次いで、「100万円以上500万円未満」の51社(同21.7%)、「500万円以上1000万円未満」の27社(同11.4%)と続きました。「からあげ屋さん」は、他の飲食店に比べ、少ない初期投資でも開業できるメリットのほか、FC方式で展開するケースも多く、また、FC店への加盟は比較的容易なため、個人企業や資本金500万円未満で開業する事業者も目立っているそうです。

設立年が判明した「からあげ屋さん」法人(個人企業他を除く)は117社で、このうち88社(構成比75.2%)が2016年以前に設立されていました。2017年以降は「からあげ屋さん」の参入が新設法人を上回っているといい、他事業からの業態転換が多くなっているそうです。

   ◇   ◇

調査を行った同社では、「新型コロナ感染拡大で、売上減少やコスト負担が大きい店舗では退店が続き、厳しい経営環境が続いている。飲食店の業態転換として、人気の高いテイクアウトやデリバリーと『からあげ屋さん』の相性は良く、新規参入する企業は増加をたどっている」と説明。「ただ、『からあげ屋さん』の多くは過小資本で、少ない人員が従事する小・零細企業が占めている。ここまで成長をたどった『からあげ』ブームだが、長引くコロナ禍で同業他社の参入が増えると、そろそろ淘汰の波が起こる可能性もある」とも述べています。

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