「幼いうちから動物と暮らしてほしい」と長男のために迎えた2匹の子猫 今では「本当の弟妹」と言って譲らぬほどに

ラムちゃん(生後9カ月・メス)とモルトちゃん(生後9カ月・オス)は、神奈川県で野良猫に餌やりをしている人の家に来る野良猫が産んだ子猫だった。全部で5匹いたが、それぞれ里親がみつかり幸せに暮らしているという。

餌やりさんは、母猫と子猫たちが安心して暮らせるように、子猫たちを室内の二段ゲージにいれて世話をしていた。しかし、子猫たちを飼うことはできないので、神奈川県で保護活動をしているボランティアに相談した。その後、ボランティアの知り合いの黒川さんという人が預かり、引き続き世話をしながら里親を募集したそうだ。

■幼いうちから動物と過ごさせたい

神奈川県に住む植田さんは、マンションから一軒家に引っ越したのをきっかけに、以前から飼いたかったペットを迎えしたいと考えていた。植田さんは幼少期犬を飼っていて、夫は幼少期から犬・猫・インコ・にわとり・金魚などの動物を飼っていた。そのため、子供には小さいうちから動物と過ごさせたいと考えていた。

「実は、私は子供の頃から親に『野良猫は触っちゃダメ』としつけられたためほぼ触れ合ったことがなく、むしろちょっと苦手でしたが、猫好きの主人と出会って、以前住んでいた近くの多摩川で野良猫にふれあうようになり猫好きになったんです」 

植田さん夫妻は猫を探すため保護猫カフェ「にじのはし」に行った。ここではボランティアや保護団体から猫預かって里親を探している。最初は、共働きで、子供も4歳と幼いので子猫の譲渡は難しいと言われ、成猫を探した。しかし、猫カフェのスタッフが「この子達は兄妹セットという条件でしたら、子猫ですが譲渡できるかもしれません」と紹介くれた。その子猫がラムちゃんとモルトちゃんだった。

「子猫とか成猫にこだわっていなかったのですが、2匹を見た瞬間ビビビ!と。うちで生活している姿が想像できました。2匹は人見知りで警戒心も強く、全くこちらにアプローチをしてきませんでしたが、なぜか強く惹かれました」

家族3人で猫カフェまで2匹を迎えに行くと、預かりボランティアの黒川さんが家まで一緒に来てくれた。

まず2階に猫部屋を作り、「ここがセーフティーゾーンだよ」と慣れてもらうことにしたが、その日のうちに猫慣れしている夫がぐいぐい抱っこして一階のリビングへ連れてきたり、子どもが追いかけ回したりしたため、2匹はあっという間に我が家に慣れて、次の日からはゴロゴロしていたという。

夫婦でお酒が好きなのでシングルモルトとラム酒からラムちゃん、モルトちゃんと名付けた。

■長男にとっては「本当の弟妹」

ラムちゃんは天然系で、モルトちゃんは温厚な男の子。

「いつもびっくり顔をしていて、家の中で会うとびっくりされるんです。いい加減慣れておくれ~と思いますが(笑)」

2匹は長男にとにかく優しくしてくれる。風邪をひいてぐったりしている日はずっと付き添ってペロペロしたり隣で寝たりするそうだ。長男が元気だとモルトちゃんは少し距離を置くが、ラムちゃんはよく一緒にいる。

「息子はラムモルが大好きで、一人っ子なので本当の弟妹のように接しています。息子にラムちゃんとモルちゃんは僕の弟妹!と言われ、猫だから違うよと正論で返したら大泣きしてしまったことがありました(笑)」

植田さんは、ラムモルちゃんを迎えて賑やかだった日常が、より賑かで温もりあふれるものになったという。

「足先にぬくもりを感じたり、気づいたら隣で寝ていたり無償の愛を感じるんです。1日でも長くこの子達といたい。全部、全部覚えておきたいと毎日思います。なんでもない日常なのに、何度もシャッターを切りたくなります」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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