「私の運命の猫はどこ?」保護猫カフェを巡り続けてやっと出会ったのは…人も猫も“大嫌い”なツンデレ猫

運命の赤い糸は、時に絡まるもの。その糸を手繰り寄せたり解きほぐしたり。大阪府のNさんも運命の赤い糸を手繰り寄せるのに、少し時間がかかった一人です。

25歳の時、念願の一人暮らしを始め猫と暮らしたいと考えていました。しかし、よくよく規約を読むとペット不可。入居してすぐ引っ越しは金銭的に厳しいため、しばらく我慢をすることになります。

ようやくペット可の物件に引っ越し、保護猫カフェ巡りを始めました。保護猫の方が運命の猫と出会えるような気がしたのです。最初からペットショップで購入することは頭になかったのだそう。

当初、近場の保護猫カフェを回るのですが、これぞという猫とは出会えませんでした。それ以前に、カフェの店員さんとも仲良くなれる人がいません。初めて猫を飼うため、できれば保護猫カフェの店員さんとつながっていたい。そう願うものの、上手くいかないもの。

そんな折、友人から十三の「ねこの木」が良いという話を聞きます。でも、遠いなぁと思い、その時すぐには訪れることはありませんでした。そして、相も変わらず出会えない保護猫カフェ通い。

あまりにも運命の猫と出会えない日々が続いたある日、ふと思い出したのだそう。

「十三のねこの木って、あの子が言ってたな」

そこでようやく重い腰をあげ、十三まで行くことに。

阪急十三駅西口から十三フレンドリー商店街に入りすぐ、保護猫カフェ「ねこの木」はありました。事前にHPを見て可愛い子もチェックしています。相性が良ければ、そのままエントリーをしよう。

ですが、可愛いと思っていた子は実際に会うとちょっと思っていた子と違っていたり、全然愛想がなかったり。やっぱりここもダメだったかと思い帰ろうとすると、1匹の猫と目が合いました。その瞬間は、まるでその猫にスポットライトが当たったかのよう。この猫こそ、今Nさんと暮らすぱるるちゃんです。

「この子だ!」

そう思ったものの今決めて良いものかと迷い、この日にエントリーはしませんでした。しかし、いつでもエントリーできるよう譲渡条件の「お店に3回通う」を満たすためにねこの木に通います。Nさんは今まで遠いと思っていた距離を3回通いました。ぱるるちゃんに会えると思うと、全然遠くなかったんですって。

さて、このぱるるちゃん、実は人間も猫も大嫌いな猫。それなのにNさんが来ると、愛想をしに下りてきてくれたのだそう。尻尾をバン!とやって不機嫌をアピールするものの、それも可愛いと言ってくれるNさんに少しずつ心を開いていきます。

ぱるるちゃんの変化は、常連客も気づくほど。Nさんがいなくても、とても穏やかになったのだそう。なぜだろうと不思議に思っていると、Instagramのタグ検索ですぐ理由が分かりました。Nさんがぱるるちゃんの写真を投稿していたのです。Nさんが撮るぱるるちゃんの表情がとても柔らかで、この人のところに行くのだなと分かったと言います。

これだけお互いを想いあっているいるのだから、最初から上手くいく。誰もがそう思っていました。それでもNさんにとって初めての猫。それに3回会っても、ぱるるちゃんは不機嫌なまま。不安になり店長の長谷川さんに相談しました。すると、

「ぱるるは家に行くと変わるよ」

と言ってもらえました。その言葉が決め手となり、Nさんはぱるるちゃんを譲ってもらうことに。それでも半信半疑です。

しかし、家に到着するとその言葉は本当だとすぐわかります。Nさんの家に到着してからのぱるるちゃんは和やかそのもの。隠れることもなく、すぐ家の中を探検です。何にでも興味を持ち、Nさんにもニコニコ笑いかけてくれるではありませんか。

もしかするとぱるるちゃんは、他の猫の前でNさんに甘えるのは恥ずかしかったのかも知れませんね。

ぱるるちゃんとの運命の赤い糸を諦めずに手繰り寄せてくれた人、Nさん。その人と一緒だからこそ今ではなんと、猫嫌いのぱるるちゃんが猫と暮らしても平気なんです。3匹の妹分弟分と仲良く暮らしています。

Nさんは「十三が良いよ」と教えてくれた友達に足を向けて寝られないのだそう。その言葉こそが、もつれた赤い糸を解きほぐすものだったのですから。

(まいどなニュース特約・ふじかわ 陽子)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス