大雨警報が出ている真夜中、聞こえた助けを呼ぶ声…「このまま諦められない」ずぶ濡れになって保護した子猫

大分県に住むゆうみんさんは、大雨警報と雷注意報が出ている真夜中、仕事の帰り道にわさびちゃん(メス・1歳半)をずぶ濡れになって保護した。土手を滑った時に靴は脱げ、わさびちゃんをつかんだ時に思いっきり噛まれたが、それでも保護しなければと思った。

■大雨が降る真夜中、聞こえてきた子猫の声

2019年6月30日、この日は、大雨警報、雷注意報が出るほど夕方から大雨が降り続いていた。大分県に住むゆうみんさんが仕事を終え、帰路に着く途中に日付が変わり、7月1日になった。交差点で信号待ちをしていると、激しく降り続く雨の音に混ざり、かすかに猫が鳴き叫ぶ声が聞こえてきた。ゆうみんさんは、大雨のなかどこで鳴いているのか気になり、耳を澄ました。

コンビニエンスストアの駐車場に車を停めて、鳴き声の主を探した。交差点付近にはコンビニと営業が終了したガソリンスタンド、田植えが終わったばかりの田んぼ。深くて流れの早い水路に続く土手があった。猫の鳴き声は、時々途絶えたかと思うと、また火がついたように大きくなったりしていた。

■土手で滑って靴は脱げ、服はずぶ濡れに

車に積んでいた懐中電灯の灯りを子猫の声がする方に向けたが、雨の音にかき消されてしまい、鳴き声が反響してどちらから聞こえてくるのか、判断がつかない。声がすると思う方向だと歩いて行くと、来た方向から聞こえる気がしてまた引き返すという状態に。

ゆうみんさんは、やみくもに子猫を探し回った。傘をさしている余裕などない。止まない雨と止まない子猫の鳴き声に途方にくれたその時、ちょうど走って来た車のライトに照らされた水路脇の草むらに子猫の姿をみつけた。小さなさび猫だった。見つけた!と手を伸ばした瞬間、びっくりした子猫はゆうみんさんの手をすり抜け、土手の方に走って逃げてしまった。

「私は、子猫の姿を見たからには、このまま諦めるわけにはいかない。保護できなかったら、ずっと悔やんでしまうと思い、必死で逃げた方向に追いかけました。雨で土手はすべり、靴も脱げてしまいました、服はすでにずぶ濡れですが、かまってはいられません。悪いとは思いましたが、田んぼの中もお構いなしに走りまわりました」

やっと子猫を捕まえることができたが、子猫はびっくりして、細くて鋭い歯でゆうみんさんの手を噛んだ。ゆうみんさんは、「離してなるものか」と、しっかりつかんだまま車に戻った。ゆうみんさんも猫もずぶ濡れだった。車の中で時間を見ると、すでに午前3時を過ぎていた。3時間も探し回っていたことになる。仕事帰りだったこともあり、へとへとに疲れ切っていた。車の中にあるタオルでとりあえず子猫を包むと、ブルブル震えていた。寒いのか?それとも怖いのか?どちらにしても早く帰宅して落ち着かせなければと、ゆうみんさんは帰路を急いだ。

■大家族の一員として幸せに

アパートの駐車場に着くと、とりあえずペットキャリーを取りに行き、キャリーの中に子猫を入れた。一旦ゆうみんさんだけ家に戻り、先住猫のあずきちゃんが使っていたケージを組み立て、段ボールにゴミ袋を巻いた簡易トイレと、やはり段ボールにバスタオルを敷いたベッドを設置。車まで子猫を迎えにいき、連れ帰った。

まず、濡れた身体を乾かし、それからチュールを鼻先に持っていくと、最初は戸惑っていたがぺろぺろと舐めて完食した。ケージのなかに、ドライフードと水を入れて、周りをぐるっと布で覆うと、暗くなって安心したのか、小さい声でニャアニャア鳴いていた声も静かになった。

その状況をじっと見つめていたあずきちゃんは、すかさずケージの天井にあがり、そこで香箱座りをした。見張りでもするつもりだったのかもしれない。疲れ果てたゆうみんさんは、シャワーを浴びて、ケージの横に寝転んだ途端、眠りこんでしまった。

翌日は、午前中のうちに検診に行くと、特に悪いところは見当たらなかった。月齢は推定2カ月半だった。こうして大家族の仲間入りしたサビ猫の女の子。ゆうみんさんはサビ猫に初めて出会ったので、単純だが「わさびちゃん」という名前にした。

わさびちゃんは人の手も怖がらないし、野良育ちではないようだった。とても活発なおてんば娘で、じっとしていることがない。今まで、年上のお兄にゃん、お姉にゃんばかりで、遊び相手のいなかったあずきちゃんにとっては、格好の遊び相手になってくれた。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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