吉行和子、「3年B組」の思い出は?トシちゃんの緊張挨拶に周囲もビックリ

学園モノの金字塔としてテレビ史に名を残す「3年B組金八先生」に出演していた際の思い出を振り返る吉行和子
映画「雪子さんの足音」に、寛 一 郎演じる青年を下宿させる老大家役で主演する吉行和子(左)/(C)2019株式会社旦々舎
映画「雪子さんの足音」に主演する吉行和子(左)/(C)2019株式会社旦々舎
3枚

 昭和の名作連続ドラマ「3年B組金八先生」、「ふぞろいの林檎たち」「スチュワーデス物語」、そして平成生まれの「ナースのお仕事」。人気を博して長寿シリーズ化したり、高視聴率を記録して社会現象になったり。そのすべてに出演しているのが、女優の吉行和子(83)だ。中でも思い出深いのは、昭和から平成にかけてシリーズを重ね、学園モノの金字塔としてテレビ史に名を残す「3年B組金八先生」という。

 トータル32年に渡って放送された同ドラマで吉行は、桜中学校に勤務する池内友子先生を演じた。「脇役ですが、テレビドラマの歴史において名作と言われているものには出演させてもらうことができました。ほとんどのシリーズに出演した『3年B組』は特に長かったので、色々と思い出があります」と懐かしそうに振り返りながら「私は体が弱いので、数人の生徒とのシーンならば平気だけれど、生徒たちがたくさん集まるシーンでは必ず風邪をひく。それがとても嫌でした」と照れ笑いで今だからこその舞台裏を明かす。

 家庭科担当で3年D組担任。初期の頃は、実家兼雑貨屋で独身時代の金八先生を下宿させている設定だった。「武田鉄矢さん演じる金八先生に家でお茶を出したり、電話を取り次いだり、下宿先の大家的存在。家庭科の先生という設定ながらも授業シーンはなかったので、みなさんには“下宿屋のおばさん”と記憶されているみたい」。奇しくも5月18日公開の映画『雪子さんの足音』では、寛 一 郎演じる青年を下宿させる老大家役で主演。「こちらは寛 一 郎さんを飼い慣らそうとする役柄。池内友子とは全然違いますね」と不敵に笑う。

 ドラマ終了時のハイライトといえる卒業式も忘れ難い。「シリーズ終了時には卒業式のシーンが必ずあります。体が弱かったことから実生活で卒業式に出席した経験がなかったので、生徒役の子たちが『仰げば尊し』を歌いながら本当に泣いてしまう姿は今でも忘れられません」と視聴者の涙を誘った場面を同じような想いで見つめていた。

 先生役を演じていたからこその面白いエピソードもある。それはファーストシーズンに生徒役で出演していた田原俊彦が主演した映画『瀬戸内少年野球団 青春篇 最後の楽園』(1987)でのこと。「再会した途端にトシちゃん(田原)がピシッと姿勢を正して『おはようございます!』と緊張しながら私に挨拶するものだから、周りの共演者やスタッフが『どういうこと!?』とビックリしていました」。ドラマを終えても生徒と教師という関係性は絶大のようだ。

 2001年放送の第6シーズンで、性同一性障害を持つ生徒・鶴本直を演じた上戸彩(33)の登場は強烈に覚えている。「彼女が初めて来たときは、撮影現場が『あの子は大物になる!』と色めき立ったほど。彼女自身もとても立派で、どんなセリフでもスラスラという。同じシーンはありませんでしたが、今年の1月に放送されたドラマで再共演。当時『凄いなぁ』と思っていたのが懐かしかった」と目を細める。女優生活60年を越える吉行にとって、成長した若手との再共演も楽しみの一つになっている。(まいどなニュース特約・石井隼人)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス