山形の女医殺害事件は突発的な犯行か 小川泰平氏が推測 凶器か?パターから読み解く

 山形県東根市内のマンション室内で眼科医の矢口智恵美さん(50)が殺害された事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は22日、デイリースポーツの取材に対し、凶器にゴルフのパターを使用している状況等から「計画性は薄く突発的に起きた事件ではないか」と推測した。

 矢口さんは東京都出身で、2007年から山形県村山市内で開業。眼科医院で院長を務め、約5キロ南にある同県東根市内のマンション2階で一人暮らしだった。

 19日午後6時前、訪問した40代の弟が頭から血を流して倒れている矢口さんを発見して通報。山形県警は20日、死因は頭部打撲による頭蓋(ずがい)内損傷と発表し、殺人容疑で捜査を始めた。室内には血の付いたゴルフパターが残されており、凶器の可能性があるとみて調べている。

 関係者によると、矢口さんは18日の診療後、山形市内で行われた新しい職員の歓迎会に出席。同日夜9時半頃に女性スタッフの車で帰宅したが、携帯電話を車の中に忘れたので週明けに病院で受け取るという連絡を夜10時45分頃に女性スタッフと電話で話したのが外部と接触した最後とみられている。矢口さんが遺体で発見されたのは19日午後5時50分頃。最後の通話から遺体発見まで「約19時間の空白」があった。

 19日午前5時頃、マンションの防犯カメラに不審な男の姿が映っていたことが分かった。小川氏は「午前5時頃だと、新聞配達など、人が既に動き出している時間帯であり、『物盗り』の可能性は低い。忍び込みの時間帯は深夜0時から遅くても午前3時まで。5時になると少し明るくなり、人の出入りもあって外からの侵入は難しい」と分析した。

 ゴルフのパターが矢口さんの持ち物であったかは発表されていないが、小川氏は「パターを凶器として持っていくことは、その大きさもあって考えづらい。最初から殺害する意図があるなら、刃物などを持っていくはず。おそらく、ご自宅にあったパターではないか」と指摘した。

 同氏は「午前5時に自宅に行って何かを話す約束があったとは時間的に思えない。恨みを持って侵入したというより、何か話をしていた時に突発的にその場にあったパターを手に取った可能性が考えられる、計画性があったわけではない」と状況から読み解いた。

 パターが室内に残されていたことについて、同氏は「自分が持って行ったものではないので、大きいパターを持って逃げる方がリスクがある」とした。

 小川氏は「午前5時に出入りした者が怪しいとなると、死後約12時間。ご遺体の硬直は死後約2時間で顎部(あご)から始まります。警察から死亡推定時間の発表は、なされていませんがが分かっていると思います」と指摘。「外部から第三者が侵入する時は通常土足。靴を脱いで侵入しているのなら面識があったという関係になる。一方、交友関係のトラブルはないと聞いているので、突発的な可能性が強いのではないか。室内で争っていれば毛髪が落ちていたり、被害者の爪から繊維片などが鑑識活動の中で判明する事実も多い。犯人逮捕にそれほど時間はかからないと思います」と推測した。

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