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「神戸屋」だけど本社は大阪…その理由は創業者の思いにあった

神戸屋の職人による飾りパン(奥)と創業100周年記念のプレート(手前)。どちらもパンでできている
神戸屋東淀工場。「日に一度…」の標語は阪急京都線ユーザーにはおなじみ
「令和」記念の「紅白のいちご&ミルク蒸しパン」※神戸屋提供写真
「令和」記念の「紅白デニッシュメロン」※神戸屋提供写真
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 老舗パンメーカーの(株)神戸屋は昨年で創業100周年を迎えた歴史ある企業。パンはもちろん、レストラン事業でもおなじみだが、実は本社は大阪市にあるのをご存じだろうか。…なのに「神戸屋」?なぜだろうか。不思議に思っていると、同社の社内資料に経緯が記されていた。

 およそ100年前。創業者の桐山政太郎氏はもともと、外国人居留者が多かった神戸のパン屋に勤めていた。同氏は「神戸のおいしいパンを、舌の肥えた大阪の人々にも食べてほしい」という思いから“行商”として大阪市内の食堂やホテルに食パンを販売。当初は阪神電車に乗ってパンを運んでいたが、次第に増える販売量に運搬が追いつかなくなり、独立して大阪で製造販売することになった。社名には、自身の原点であり、また、パンの代名詞ともいえる「神戸」の地名を付けた-とのことだ。

 その後「神戸屋」は多くの「日本初」のアイデアや製造方法を用いながら発展し、ベーカリーやレストラン事業なども展開。ベーカリー・ワールドカップにおいても好成績を残すなど、同社のパン職人の技術力は世界でも認められている。最近では、昨年末に「ファミマのうまいパン決定戦」に参戦。テーマに沿って開発したパンの売り上げを9社で競い、全国5ブロックのうち2ブロックで優勝を果たした。

 創業100周年を機に、同社マーケティング本部の山本さんと内藤さんは「蓄積してきた技術や歴史を大事にしながら、お客さんにわくわくしてもらえるような商品を生み出していきたい」「今後もパンを通じて健康な食卓作りをお手伝いしたい」と、思いを新たにしている。

 5月1日からは「令和」がスタート。日本中が祝賀ムードに沸く中で、神戸屋も業界に先駆けて新元号をパッケージに印字したパンを先月から発売してSNSでも話題に。「紅白デニッシュメロン」(税込148円)と「紅白のいちご&ミルク蒸しパン」(税込118円)の2種類あり、価格の数字にも末広がりの「8」を入れてお祝いの気持ちを表現したという。近畿エリアのローソン限定で、発売は今月13日まで。

 元号といえば、同社の創業は大正時代。そこから昭和、平成、そして令和と、4つの時代にわたって歩んできたことになる。パンは今では日本人にとってすっかり身近な存在。創業者の桐山氏が現在の様子を知ることができれば、きっと喜ぶに違いない。(まいどなニュース特約・福岡 桃)

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