第4試合が“穴場”…来夏の高校野球観戦のためにマメ知識

 今夏の全国高等学校野球選手権は、花咲徳栄(埼玉)の優勝で幕を閉じた。その一方、近年高まる高校野球人気のため、球場内外で“チケット難民”や“観戦傷者”が続出。100回目の記念大会を迎える来年、甲子園マニアではないライト層に向け「第4試合推奨論」を提唱したい。

 始発で甲子園に向かい、午前5時半から並んでも当日券が買えない。そして第2試合のチケット再発売を頼りに、第1試合開始前から3時間以上売り場で並んだ末「場内の様子が落ち着きました結果、チケットの発売はできないことになりました」と球場係員からアナウンスされ、絶望的な気持ちになる。

 アルプス席や外野スタンドに入ったが、暑さで体力を失い、屋内の売店通路でへたりこんで休憩を取る。猛暑日の屋内通路は“屍”であふれている。

 いずれも夏の甲子園では、決して珍しくはない光景だ。

 記者自身も大会9日目の8月17日、広陵-秀岳館、智弁和歌山-大阪桐蔭、仙台育英-日本文理のカード目当てに、午前5時20分から中央特別自由席を求める列に並んだが、窓口まで20人ほど手前で完売。以前なら確実に購入できた並び位置だっただけに茫然自失となった。インターネットのチケット転売サイトをのぞくと理由が分かった。30分ほど前に完売した当日券が大量に出品(甲子園で手渡しします、との但し書き付き)されていた。売値は定価2000円に対し8000~10000円。今や高校野球はチケット転売で儲ける対象にもなっているのだ。こんな“地獄甲子園”では、お盆休みのお父さんが家族を連れてぶらっと観戦、というのも難しいだろうし、友人との合流ついでに1試合見ていくか、というのも厳しいだろう。

 そこで、カードを気にせず1試合見られればいい、甲子園の雰囲気を味わいたい、というライト層には、4試合実施日の第4試合をおすすめしたい。

 第3試合で観戦を打ち切り、球場を後にするファンが多く、外野スタンドに空席が広がり、内野の当日券は再発売されるからだ。今夏では大会4日目(8月11日)の広陵-中京大中京、横浜-秀岳館、興南-智弁和歌山、大阪桐蔭-米子松蔭のように、全試合が観衆47000人満員という例外はあった。ただ、第4試合で少なくとも外野スタンドに入場規制がかかる47000人満員になることは、余程の注目カード以外ではないだろう。

 今夏の試合別平均観衆数は以下の通り。第4試合で一気に少なくなる。

【1日4試合日…大会2,3,4,6,7,8,10,11,12日】

第1試合 34222人

第2試合 41000人

第3試合 40333人

第4試合 29000人

【1日3試合日…大会1,5,9日】

第1試合 42333人

第2試合 40000人

第3試合 32667人

 注目されていないカードでも、思わぬ熱戦を楽しめるのが高校野球。第4試合なら暑さが和らぎ、高額な転売チケットに手を出さなくても大丈夫。気軽に観戦したいライト層の方々は、はるか1年先の話で恐縮だが、参考にしてもらえれば幸いだ。(デイリースポーツ・山本鋼平)

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