年に1日だけ運行する“年イチ”路線バスがあるんです

 路線バスなのに、年に1日しか乗れないってホント?

 確かに、地方に行くと1日1往復なんていうのも珍しくない。路線を一旦廃止すると、再開には煩雑な手続きが一から必要になる。そのため、最低限の運行を続け「免許維持路線」を残しているのだ。とはいえ、さすがに「年に1日だけ」となるとかなりレアと言えるが、全国に数路存在する。

 「大原~鞍馬」を結ぶ京都バスの95系統は、春分の日のみ、しかも片道1便だけ。以前は観光需要もあり春から秋の日曜・祝日にバスを走らせていたが、利用者の減少により年イチに。今年3月、ほぼ同ルートの55系統が新設され「すわ廃線か!?」とも思われたが、これまで通り年1回の運行を予定しているという。

 実は年イチ路線の中には、イベント対応のものが多い。例えば、青森県八戸市に本社を置く南部バスでは、5月の第3日曜、寺下観音例大祭の日のみ、八戸市内から寺下観音までの路線が運行。終点となる寺の前には“年イチバス停”がこの日だけ出現する。

 首都圏からも近く、バスファンの間で知名度抜群だった年イチ路線の王様が、箱根登山バスの「小田原駅発ターンパイク経由箱根町行」。同じ発着路線は普段から存在するのだが、毎年11月3日の「箱根大名行列」の日のみ、富士山や湘南海岸を望む「ターンパイク箱根」を経由するこの路線が走るのだ。

 しかし今年は、4月8日と9日に「ターンパイクお花見バス」がほぼ同じルートで運行。一方で11月の運行はなくなり、「年2路線」となった。乗車機会が増えるのは嬉しいけれど、「年イチ」の看板を下ろすのはもったいない、と思うのはバス好きの勝手な願望だろうか。(風来堂)

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