「北中米W杯・グループC、ブラジル代表1-1モロッコ代表」(13日、ニューヨーク)
1次リーグC組で史上最多5度の優勝を誇るブラジルはモロッコと1-1で引き分けた。先制点を許したが、前半にFWビニシウスが同点ゴールを決めた。ともに勝ち点1。スコットランドはハイチを1-0で退け、勝ち点3で同組首位。D組ではオーストラリアがトルコを2-0で下し、勝ち点3を得た。B組ではスイスとカタールが1-1のドロー。カタールは後半追加タイムに追い付き、2度目の出場で初の勝ち点を得た。
「王国」を引っ張る存在だと強烈に印象づけた。ミスが目立ち前半21分に先制点を許したブラジルを救ったのは25歳のビニシウスだ。同32分に同点ゴールを決め「初戦の重みはあったが、すぐに反撃できたのはポジティブだ」と汗をぬぐった。
相手にすれば絶望感を覚えるような高い技術が詰まった一撃だった。ゴール左で持つと、突破を警戒する相手2人が寄せてきた。中に戻して距離を取り、ゴールライン近くで再びボールを呼び込む。右足外側での深い切り返しで一瞬にしてコースをつくり、鋭いシュートを突き刺した。ふがいない戦いに不満げだった母国のサポーターの表情を一変させた。
ゴールへの道だけでなく、自らのキャリアも力強く切り開いてきた。リオデジャネイロの治安の悪い地区出身で「貧困、犯罪が身近な路上で、はだしでサッカーをしていた子どもだった」。2024年にFIFA最優秀選手に選出され、感慨深げに語った。人種差別を受けるたび、強く抗議もしてきた。
イタリア人で外国出身者としてW杯のブラジル代表を初めて率いるアンチェロッティ監督には、レアル・マドリード(スペイン)でも師事した。「誰よりも自分を理解してくれている」と語るビニシウスに対し、監督は「彼の才能を丸ごと信じている」と断言。圧倒的な「個」の力を持つアタッカーが、02年日韓大会から遠ざかる優勝への命運を握る。