史上初W杯女性&唯一の日本人審判員 山下良美さん「女性審判員が活躍する可能性広がっていけば」

 サッカーJ1でFC東京-京都の主審を担当する山下良美さん=9月
 調整する山下さん(共同)
 練習を終え、笑顔で引き揚げる(共同)
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 サッカーW杯カタール大会で、史上初めて女性審判員を務める6人の1人に選ばれたのが日本の山下良美さん(36)だ。選手交代の手続きなどに当たる「第4の審判員」にも入り、23日(日本時間24日)のベルギー-カナダを担当。今大会、唯一の日本人審判員として世界の舞台に立つ。

 「夢のまた夢」だった大舞台で笛を吹くチャンスを得た。ジャッジは選手のプレーとともに世界の注目を集める。山下さんは「私たちの姿を通して女性審判員が活躍する可能性が広がっていけば」と願う。

 女性審判員6人のうち山下さんを含む3人が主審。11月上旬にカタール入りし、各国の審判員とトレーニングを続けている。強い日差しが降り注ぐ中、ランニングで汗を流した18日は「頑張ります。準備万端です」と報道陣に笑顔を見せた。

 大学卒業以降、審判員の道を進んできた日本の女性審判員の第一人者。4歳からボールを蹴ってきた選手から審判に転じたのは、先輩からの誘いがきっかけだった。「日本サッカーの向上に少しでも貢献したい」。ピッチ上の笛には、原点の思いが込められている。

 2015年から国際主審となり、19年の女子W杯や昨年夏の東京五輪などで女子の試合を担当。男子の試合でもJリーグやアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の主審を女性として初めて任された経験を持つ。

 持ち味として「男子に引けを取らないスピード」を挙げるのは日本サッカー協会の扇谷健司審判委員長。もともと「足の速さに自信がなかった」のを変えたのは、15年ごろからパーソナルコーチの下で積み重ねた短距離走のトレーニングだ。

 判定にはクレームが付き物。大柄な外国人選手に詰め寄られても毅然(きぜん)と対応する。「本心ではびびってる」と冗談めかして笑いながら「体の大小にかかわらず審判員としてやるべきことは一緒。ベストと思える判断をしてきた」と自負する。

 W杯史上初の女性審判員と同時に、今大会唯一の日本人審判員。「責任を負えることをうれしく思う」。審判として“日本代表”を担うが、重責をプレッシャーに感じるより、自らのモチベーションを高める材料として歓迎する。

 「第4の審判員」にも入り、まずはベルギー-カナダを担当。大会中、実際に笛を吹くかどうかは未定だが、試合ごとに掲げる目標は変わらない。「選手も観客も心を動かされるような試合のサポートをする」。世界が熱狂する4年に1度の祭典で実現させる。

 ◆山下良美(やました・よしみ)1986年2月20日、東京都中野区出身。都立西高から東京学芸大に進学した。国際主審として19年女子W杯や同年の天皇杯などで主審を務めた。昨年5月のJ3、YS横浜-宮崎でJリーグ史上初の女性主審を務めた。今年9月のFC東京-京都でJ1初の女性主審を担った。今年7月、日本サッカー協会と女性初のプロフェッショナルレフェリー契約を結んだ。

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