【W杯帰国会見1】“西野の46日”選手の「強い思い」に脱帽

 サッカー・ロシアW杯に出場していた日本代表の西野朗監督と、主将のMF長谷部誠(E・フランクフルト)、日本協会の田嶋幸三会長が5日、千葉県内で帰国会見に臨んだ。西野監督は冒頭のあいさつで、自身が代表に直接監督として携わったのは「46日間」と表現。ブラジル大会での惨敗から4年間強い気持ちを持ち続けてきたベテラン選手たちに「選手たちのあの強い気持ちには到底、勝つことはできませんでした」と脱帽した。以下、会見の全文要旨。【その1】

 田嶋会長「選手たち23名、(バックアップメンバーの)井手口・浅野選手、予選突破に関わった全ての選手。西野監督のもと、スタッフが集結して本当に素晴らしい試合を展開してくれたと思います。あらためて誇りに思いますし感謝したいと思います。(中略)また、日本代表なんか嫌いだ、応援なんかしないと言ってくださった方にも、関心を持っていただいたという意味で、その方々にも感謝しないといけないと思っています」

 (中略)「残念ながら、このチームはここで解散することになります。素晴らしい試合をしてくださった面々に感謝をし、それを支える家族の方にも感謝しないといけないと思っています。残念ですけど、これは仕方のないことと思っています。次に向けて、サッカー協会はまたあらたなスタートを切りたいと思っています」

 (続けて西野監督から)

 西野監督「皆さんこんにちは。今日は通訳機(注・W杯期間中、FIFAが用意した同時通訳のレシーバーを耳につけられず悪戦苦闘し続けた)がないので安心してしゃべれますけども…(苦笑)。W杯、途中で帰国となりましたけど、チャーター機で帰らせていただきました。非常に恐縮しております。選手23人全員帰国、重大なけがもなく各クラブに戻ってもらえることも安心をしております。一部選手からは休みが少ないので、オフィシャルで休みを少し与えてあげるよう伝えてくれと、選手から言われておるので、調整していただければと思います(笑)」

 (続けて)「5月21日からW杯へ向けて最終の調整に入り、今日で46日になりますけど、活動させていただきました。私にとっては46日という活動でしたけど、選手たちはあのブラジルから4年、いろんな思いを持って、ロシアへ、そして日本サッカー界のために成長したい、その思いで入っていく中で、私自身は46日という。(合宿を始めた)秋津サッカー場で同じピッチに立った中での活動でしたので。その思いはまったく違いました」

 (続けて)「選手たちは本当に強い思いでロシアへ向けての意欲、意識が非常に高い、私も最終的なところで選手たちに、なんとかロシアへというところでやってきましたけど、選手たちのあの強い気持ちには到底、勝つことはできませんでした。その中で選手たちは前監督の財産、やってきたことに、さらに本大会で自分たちにできることを探りながら、本当に素晴らしいサッカーを披露してくれたと思います。結果は一つしか勝てませんでしたけれど、W杯での1ポイント、1ゴール、1プレーというのは本当に厳しいということを私自身も初めての経験で、グループステージを突破すること、ノックアウトステージで勝ち上がることの厳しさを知らされました。そういう感覚も(事前に)持ち合わせていなかったというのはありますけど、選手たちはたくましく戦ってくれたと思います」

 (続けて)「それに携わっていただいたスタッフに本当に感謝したいと思います。現場のコーチングスタッフ、サポーティングスタッフはもちろんですけど、国内で、オーストリアで、ロシアで、それぞれの環境でベストな状態をつくってくれたたくさんのスタッフに感謝したいと思いますし、日本で、国民の皆さんがサムライブルーを後押ししてくれた、そういう力も向こうで感じながら戦うことができました。本当に残念ながら途中で帰ることになりましたけど」

 (続けて)「8年周期でベスト16にチャレンジして…このスパンではだめだと思います。次の4年後のカタールで間違いなくR16を突破できる。そういう段階にはあると思うので、必ず4年後、選手たちが必ず成し遂げられる状態につなげたという成果だけは感じたいと思います。本当にたくさんの方にお礼を申し上げないといけないんですけど、選手たちのこれからの活躍、躍進に期待したいと思っております。メディアの皆さんも非常に厳しい意見、評価をしていただきましたけど、大いに糧になりましたので。これからも厳しい目で代表を見てもらうのも大事かなと思っています」

 (続けて長谷部からあいさつ)長谷部 「田嶋会長と西野監督から、ほとんど述べていただいたので。選手を代表して本当に日本中の方々には、現地まで足を運んでくださったサポーターの方や、日本の多くの方が応援してくださっている様子も選手たちの耳に届いていました。本日も空港で多くの方が出迎えてくれて、本当に選手冥利(みょうり)につきると思います。本当に素晴らしいサポートありがとうございました」

 (続けて)「今回のW杯を通じて、大会前はあまり僕たちは期待されていなかったですけど、無関心という部分が僕、個人的には一番怖いと。また、W杯で日本の皆さまの関心を集められたと思うんで、引き続き日本の皆さまには日本のサッカー界、代表だけじゃなく、Jリーグ、海外でプレーする選手、女子、いろんなカテゴリーがありますけど、全ての日本サッカー界の関心を持ってもらうためには、時には厳しいサポートをお願いしたいと思います」

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