広島・宇草 また出た1週間でチームトップ3号!5割復帰導いた 前回3連戦零敗喫した中日から6得点初星 新井監督絶賛

 2回、先制の3号2ランを放ち、森下(左)らと笑顔でタッチを交わす宇草(中)=撮影・市尻達拡 
 6回、二盗を決める宇草
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 「中日4-6広島」(27日、バンテリンドーム)

 広島・宇草孔基外野手(27)が豪快な一発を放ち、チームの勝率5割復帰に大きく貢献した。二回にチームトップとなる3号先制2ラン。20日・巨人戦から1週間で3本目のアーチをかけ、バットの勢いを加速させている。チームは前回、本拠地での中日3連戦で全て完封負け。借りを返す一撃で、中日戦今季初勝利に導いた。

 バットをかぶせるようにして、高めの直球をたたいた。宇草の力強い弾道が一直線に右翼スタンドへ突き刺さる。どよめきと歓声が入り交じった敵地の視線を、一身に集めた殊勲の本塁打。攻撃が終わって左翼の守備に就くと、赤く染まったスタンドから割れんばかりの声援が注がれた。「本当にたまたま、いい結果になりました」と、いたって謙虚に振り返った。

 二回1死一塁。梅津の150キロに鋭く反応すると、打球は広いバンテリンドームの最前列に吸い込まれた。チーム最多の3号2ランで自己最多4本塁打に王手。昨季、一度も1軍出場選手登録を勝ち取れなかった男が20日・巨人戦から5戦3発と波に乗っている。「そういう(長距離)打者じゃないので、またあした戻るところに戻って、いい準備をしていきたい」と冷静に足元を見つめるところも頼もしい。

 チームは中日との前回対戦時、14年ぶりに同一カード3戦連続完封負けを喫していた。中日から今季初得点をつかみ、勝率5割復帰をもたらした一撃に、新井監督は「きょうもいいホームランだった」と絶賛した。

 この日はバットを指1本分余らせて、打席に入った。梅津に対し「真っすぐも強い投手。ある程度コンパクトに打っていこうと」という準備が奏功。指1本分あけるのは基本スタイルだが「投手、状況に応じて(短く握る幅を)2本、3本にしたりしている」。力まないスイングを今季のテーマにしており、その一環として施す細やかな微調整が宇草を支えている。

 移動日だった26日は名古屋市内で汗を流した。過去、鳥取県内に拠点を置く初動負荷施設の合宿に参加した縁で、同県以外にある同じ施設の使用が可能。ウエートトレーニングと並行して定期的に取り入れ「首が固まって力みにつながったりする部分がある」とケガ予防などに努め、日々しなやかな動きも求める。目の前の一戦で最善を尽くすための取り組みを怠らないからこそ、快音を響かせることができる。

 前夜には森下、石原の同期入団トリオで集まり「あした勝とう」と誓い合った。その言葉通りの活躍で森下に2勝目をプレゼントし「暢仁(森下)に勝ちを付けられて良かった」と笑った。逆境からはい上がった若武者が、まだまだチームに新風を吹かせていく。

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