「ロシアＷ杯・Ｅ組、ブラジル２－０コスタリカ」（２２日、サンクトペテルブルク）

　Ｅ組はブラジルが後半ロスタイムにＦＷネイマール（２６）＝パリ・サンジェルマン＝の今大会初ゴールなどでコスタリカを２－０で下し、初勝利を挙げた。コスタリカは敗退が決まった。同組のスイスはセルビアに２－１で逆転勝ちして勝ち点を４とし、得失点差で２位。Ｄ組は、ナイジェリアがＦＷアハマド・ムサ（２５）＝ＣＳＫＡモスクワ＝の２得点でアイスランドを２－０で破った。

　試合が終わるとピッチに座り込み、両手で顔を覆った。悔しさ安堵（あんど）、少しの喜び。ネイマールはさまざまな感情を抑えることなく大泣きした。

　後半１１、２７分と好機を逃す。同３３分には巧みに切り返して相手をかわした後、わずかな接触で主審に訴えるような表情で倒れた。一度はＰＫと判定されたが、映像確認の結果、取り消しに。フラストレーションがたまる展開の中、ロスタイムの自身今大会初ゴールで留飲を下げた。

　ＤＦチアゴシウバからは「重荷を背負ってきたんだから発散すればいい」と声をかけられた。チチ監督も「彼も人間だから頼りすぎてはいけない」と過熱する周囲をなだめる。ブラジル代表の１０番。そのプレッシャーは背負った者にしか分からない。

　ネイマールは写真共有アプリ「インスタグラム」にこうつづった。「僕の人生に簡単なことなどなかったし、これからもない。夢は続く。いや夢ではない、目標だ」。涙が乾いた後の決意表明。苦しんだ分、頂点への渇望が一層、強くなった。