ボランチはポジションではない? 実は知られていないサッカー用語

 サッカーW杯ロシア大会が14日に開幕した。試合はもちろん、優勝を予想する動物、ピッチ内外の騒動などサッカーに関するニュースが増える中で、普段はあまり触れないサッカー用語が、突然、当たり前のように使われるのも4年に1度のW杯ならでは。そこで、サッカー界では当たり前の単語でも、一般的には浸透していないものについて、まとめてみた。

 ▽ポリバレント (例)「ポリバレントと言いましたけど、そういう中でいろんな可能性を考えたい」(西野監督、5月31日のW杯メンバー会見で)

 複数の役割をこなせる資質のこと。複数のポジションはもちろん、同一のポジションであっても、戦術や戦況の変化に応じてプレースタイルを変化させられる選手を指す。

 ▽アタッキングサード (例)「アタッキングサードまでは進入できている」(西野監督、6月8日のスイス戦後の談話)

 コートを縦方向に3分割した相手ゴール側の1/3のこと。ここにボールがあれば、一般的には“攻めている”と言える。いかにこの地域にボールを運び、プレーするかが試合を支配できているかの目安になる。

 ▽ボランチ (例)「ダブルボランチに柴崎と山口が入る」(架空の例)

 ポルトガル語でハンドルを意味する。守備的なMFがこう呼ばれることが多く、日本ではオフト監督時代に急速に普及したが、なぜかダブル(2人)という英語とボランチが組み合わされる用法が一般的だ。攻撃では前線へのパス配給を、守備ではピンチを招く前に相手の攻撃をつぶす役割を担う。そのためボランチとはポジションというより、役割を表す。一般的に英語では、日本でいうボランチの選手はセンターハーフ、セントラルハーフ(中央の中盤の選手)と呼ばれることが多い。

 ▽トップ下 (例)「香川がトップ下に入る」(架空の例)

 攻撃的な中盤の選手のうち、コートの中央でプレーする選手のこと。トップ(FW)の後方にいることが多いため「トップ下」と呼ばれる。司令塔とも表現されることがあるが、必ずしもパス出しを得意とする選手が入る必要はない。例えば、イングランド代表のベッカムはトップ下ではなく、右サイドからのキックで味方の攻撃を演出した。香川は、パスを出すスタイルのほか、パスを受け生かされる形で得点に専念するスタイルも持っている。

 現在、日本代表では本田か、香川かで議論になっているが、このポジションは前線で守備に走ったり、得点を奪いにいったり、味方にパスを出したりと求められる役割が多岐にわたる。

 ▽VAR=ビデオ・アシスタント・レフェリー (例)「VARの検証によりゴールが取り消された」(架空の例)

 W杯では今大会から導入されたビデオ判定システムのこと。ゴールの有無(関連したファウル、オフサイド含む)、FKかPKか、警告か一発退場か、警告・退場の処分を科す選手に誤認がないかの4点の確認が原則となる。VARというのは、その役割の人を指し、主審の判定やプレーそのものに確認すべき点があった場合、リプレー映像をもとに検証し、無線で主審に申告する。最終的な判定は主審が行う。

 仮の話になるが、86年大会で伝説となっているマラドーナ(アルゼンチン)の“神の手”ゴールだが、今大会で同じ事態が起きれば、ハンドとして恐らくノーゴールと判定されるだろう。

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