西野監督 全シャッフルで光明 本大会出ないパラグアイ相手だけど…待望の初星
「国際親善試合、日本4-2パラグアイ」(12日、インスブルック)
サッカー日本代表はW杯前最後の強化試合でパラグアイに4-2で逆転勝ちした。西野朗監督(63)は0-2で敗れた8日のスイス戦から先発10人を入れ替え、スタメンに起用されたMF香川真司(29)=ドルトムント=が終了間際にダメ押しのゴールを決めた。日本代表は13日にロシアのキャンプ地となるカザン入りする。
確かに物足りなさの残る相手だったが、初勝利は初勝利だ。ようやくの白星到来を告げるホイッスルが響くと、西野監督は拍手をし、スタッフと固い握手を交わした。「縦に急ぐだけではなく、ボールを保持しながら縦の攻撃ができた。しっかりと崩した中で攻撃できたのが良かったのかなと」。その表情には安ど感が漂っていた。
立ち上がりから積極的だった。球際の強さとは裏腹に、全体的に動きの重いパラグアイを相手に、1トップのFW岡崎を先頭にプレスをかけた。先発メンバーはスイス戦から10人を変更した。
唯一、2戦連続で先発したDF酒井高も前戦の右サイドから左へとシフト。西野監督が試合前、コロンビア戦を見据えて「キャスティング(先発選手)に関してもトライする」と話していた通り、まさに“全シャッフル”でピッチへと送り込んだ。
だが前半32分、自陣左サイドのロングスローから、最後は相手MFのO・ロメロに反転シュートを打たれて先制被弾。西野体制3戦連続で、追いかける展開を余儀なくされた。
それでも乾の同点弾で追いつくと、後半18分に再び乾が決めて逆転。試合前に「リードした前提で選手の交代をテストしていきたい」と話していた通り、後半途中には布陣を4-4-2にするなど、多くの面をテスト。2失点する不安定さは相変わらずだが、最終テストマッチを4ゴールの勝利で飾った。
「起用できなかったメンバーもこのアグレッシブさを捉え、あとわずかだけど、いい準備をしていきたい」。光明をつかみ、ロシアへと旅立つ。
