本田が4年ぶり!トップ下へ 実戦練習で香川押しのけ“定位置”復権

 サッカーW杯ロシア大会を控える日本代表は4日、事前合宿地オーストリア・インスブルック近郊のゼーフェルトで午前、午後の2部練習を行った。午後は実戦形式の練習に取り組み、西野朗監督(63)は就任後初めて4バックとなる4-2-3-1の布陣を採用。主力組のトップ下にMF本田圭佑(31)が配置され、MF香川真司(29)=ドルトムント=は控え組のトップ下に回った。FW岡崎慎司(32)=レスター=は一度も主力組に入ることはなく、西野体制における“ビッグ3”の序列が浮き彫りとなった。

 かつて「自分の庭」と称した場所へ、本田が舞い戻った。時折、雷鳴が響くアルプスの山あい、叩きつけるような雨の中で行われた実戦形式の練習で、西野監督は就任後初めて4バックの布陣を採用。1、3本目の主力組のトップ下を本田に託した。

 4年前のザッケローニ監督時代には絶対的な存在としてトップ下に君臨した本田だったが、ハリルホジッチ体制では失われた“定位置”だった。前指揮官は就任当初から4-2-3-1を採用したが、トップ下については主に香川、清武に任せた。本田はW杯最終予選の敵地オーストラリア戦で1トップを務めるなどしたが、一貫して右MFに配置され、4-3-3採用後も右FWを主戦場とすることを余儀なくされた。

 その結果、本田は決定的な局面での仕事が減少。国際Aマッチ36得点を積み上げているが、ハリル体制ではわずか9得点で、16年9月のUAE戦を最後に1年9カ月もゴールから遠ざかっている。

 一方で西野監督から、本田と並び「代えの利かない選手」と信頼を寄せられていた香川は控え組のトップ下に回った。2本目の4-4-2で香川がトップ下、本田が右MFを務めた場面もあったが、指揮官の構想では両雄が並び立たない可能性も浮上し、熾烈(しれつ)な定位置争いが展開されることになる。

 西野監督が描く戦術について、宇佐美は「アイデアで相手を外しながらパスワークと人数で崩していく。どんどん人が湧いてくるような、一人多いんじゃないかというパスワークは必須になる」と理想の攻撃を代弁した。縦に速い攻撃を標榜した前体制から一転、4年前への回帰が色濃く反映されそうだ。

 紅白戦でも本田は心地良さそうに前線を動きながらボールに絡んだ。日本の命運は復権を果たした背番号4が握ることになる。“本田の流儀”で日本をさらなる高みへ導くことができるのか。答えは程なく明らかになる。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカーW杯最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(サッカーW杯)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス