サッカーのスター選手で39歳のリオネル・メッシ(マイアミ)が8月31日、アルゼンチンを準優勝に導いたワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会を最後に代表から引退すると表明した。交流サイト(SNS)で「心が張り裂けそうな痛みを伴う決断だが、今がその時だと理解している」などと記した。
メッシはW杯2連覇を逃した北中米3カ国大会の決勝後、大声で歌い続けるサポーターを見上げ、涙を流した。代表引退を伝える手書きのメッセージはその2日後(7月21日)に記したという。「神の子」マラドーナと並び立つ英雄は「みなさんに夢のような瞬間を贈ることができたという安らぎと誇りを胸に、ここを去ります」と完全燃焼で別れを告げた。
バルセロナ(スペイン)時代に数々のタイトルを獲得したが、代表では苦難の年月も経験した。2014年W杯ブラジル大会は決勝でドイツに惜敗。16年南米選手権も決勝で敗れ、一時は代表を離れる意向を示した。
それでも期待と重圧を背負って再び立ち向かい、22年カタール大会で悲願のW杯優勝を果たす。決勝トーナメントは全試合で得点。フランスとの決勝も2ゴールを挙げ、世界一をたぐり寄せた。
歴代最多に並ぶ6度目の出場となった26年W杯は、病に伏していた父ホルヘさんへの思いを胸に秘めて臨み、鮮やかな8ゴールで世界を魅了した。8月に亡くなったホルヘさんに二つ目のトロフィーを見せることはかなわなかったが、「全てを出し尽くしました。与えられるものはもう残っていません。何より、素晴らしい若手が後を継いでいます」とつづった。
W杯通算21得点は歴代2位。代表通算207試合出場125得点。汗のしみこんだ縦じまのユニホームを脱ぎ、物語の続きを後進に託した。
【メッシの投稿全文】
決勝からこれだけの時間を経て、じっくり考えた末、代表チームから引退することをお伝えします。
心が張り裂けそうな痛みを伴う決断だが、今がその時だと理解している。私は、このユニホームのために常に全力を尽くしてきました。ここ数年だけでなく、それ以前も、サッカーを通じて喜びをもたらし、アルゼンチン人であることを誇りに思ってもらえるよう、全てをささげてきました。
残された時間は短く、一つの節目が終わろうとしています。これは非常につらい決断です。代表チームを今も過去もこれからも、ずっと愛しています。全てを出し尽くしました。与えられるものはもう残っていません。何より、素晴らしい若手が後を継いでいます。
この20年、たくさんの愛情をありがとう。これからはみなさんと同じように外から応援し、支えます。(いいときも悪いときも)
いつもそばにいて、この美しくも困難な旅路をともに歩んでくれた家族に感謝しています。全ての監督、チームメート、スタッフにも感謝しています。忘れられない思い出と瞬間を胸に抱いています。
チームメートとともに、みなさんに夢のような瞬間を贈ることができたという安らぎと誇りを胸に、ここを去ります。みなさんとこの経験をできたことは、信じられないほど素晴らしいことでした。愛しています。
神様、私をアルゼンチン人にしてくれてありがとう。
頑張れ、アルゼンチン!
◆リオネル・メッシ 1987年6月24日、アルゼンチン・ロサリオ出身。少年時代に成長ホルモンが分泌されない病気を抱え、治療費負担を申し出たバルセロナ(スペイン)の下部組織に13歳で加入した。16歳でトップチームデビュー。21年からはパリ・サンジェルマン(フランス)、23年からインテル・マイアミ(アメリカ)でプレー。アルゼンチン代表としてW杯は6大会連続で出場。最優秀選手賞を2度獲得し、22年カタール大会で優勝。バロンドール受賞は歴代最多の8度。