欧州サッカー連盟(UEFA)は30日、国際サッカー連盟(FIFA)が提案している子会社設立計画への抗議として、加盟全55協会がW杯などFIFA主催大会への不参加に満場一致で合意したと発表した。計画が完全に取り下げられるまで有効としている。今年のW杯は8強のうち6チームを欧州勢が占め、スペインが優勝した。ボイコットすることになれば甚大な影響が予想される。
FIFAが28日に公表したW杯の運営などを担う子会社設立案に反発が広がる中、211の加盟協会が対応を迫られている。
評価額200億ドル(約3兆2720億円)規模の新会社「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」を立ち上げ、2割の株式を外部投資家に売却する計画。AP通信によるとFIFAは加盟協会に対し、設立を支持して売却資金を基にした配分金を受けるかどうかの回答期限を9月19日に設定した。過半数の承認などで設立が認められれば、各協会はそれぞれ30億円超を得られる。小規模の協会には貴重な資金で、投資家の商業的意向が大会に過剰に反映される懸念はあるが、賛否は分かれそうだ。
強豪が集う欧州連盟は非難を強める。30日には抗議として加盟全55協会がW杯などFIFA主催大会への不参加に満場一致で合意したと発表。「W杯は売り物ではない。外部投資家がFIFA大会の所有権を取得した瞬間から、サッカーは永遠に変わってしまう」との声明を出した。
北中米カリブ海連盟(CONCACAF)も30日、加盟41協会との連名でFIFAの拙速な手法などを問題視し「提案を却下した」と発表した。アジア・サッカー連盟(AFC)は31日に「W杯を守るため」としてUEFA、CONCACAFと連帯すると表明した。
FIFAは大会日程などの決定についてはFFE設立後も「独占的な権限を保持する」としているが、投資家の収益拡大のため、W杯の開催頻度や出場チーム数の増加、入場券のさらなる高騰を招く可能性が指摘される。英国のバーナム首相は「W杯は商品ではない。一部を売れば、全てを売り渡したことになる」と警鐘を鳴らした。