スポーツ界からも長嶋茂雄さん悼む声 川淵三郎氏、現役時代「オーラに圧倒された」山下泰裕氏は東京五輪の聖火ランナーに「大変なトレーニングを」大相撲・八角理事長「心の灯がひとつ消えた」

 プロ野球の国民的スーパースターで、元巨人・長嶋茂雄さんが3日、肺炎のため亡くなった。89歳だった。野球界のみならず、スポーツ界からも追悼の声が寄せられた。

 公益財団法人日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏は、ありし日の長嶋さんとの思い出を語るとともに、以下のように追悼した。

 全文は次の通り。

 「長嶋茂雄さんの訃報に接し、心からお悔やみ申し上げます。長嶋さんを初めてお見かけしたのは僕がサッカーの現役選手だったときで、広島に行く寝台列車で、長嶋さん、金田正一さん、王貞治さんの御三方が目の前を通り過ぎて行かれました。3人のスーパースターのオーラに圧倒された鮮明な記憶があります。

 それから25年以上が経過し、Jリーグがスタートした1993年、巨人の監督に復帰されたばかりの長嶋さんと対談させていただきました。初対面であいさつをしたときに『サッカーもようやくここまできたんだ』と深い感慨を覚えました。その後、何度もお会いしましたが、いつも僕のことを『会長、会長』と呼んでおられました。長嶋さんのことだからきっと僕の名前を覚えていらっしゃらないんだろうとほほ笑ましく感じていました。

 長きにわたり、日本中に元気と勇気、希望を与え続けてこられたご功績に感謝し、心から哀悼の意を表します。どうか安らかにお休みください」

 また、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長もコメントを発表。「まずもって長嶋茂雄名誉委員のご冥福を心よりお祈り申し上げます。アテネ2004オリンピックでは残念ながらアテネの地には立てなかったものの、最終予選では野球日本代表を率い、見事1位で突破しました。前年の2003年にはJOC選手強化本部のアドバイザーに就かれ、世界柔道大阪大会などの視察激励に赴いて頂きました。東京2020オリンピックでは、聖火ランナーとして国立競技場に立たれました。この日のために大変なトレーニングを積んでこられたと伺っております。その姿はアスリートの活躍とともに多くの方の心に刻まれました。オリンピック、そしてスポーツに深い愛情を注いでいた長嶋茂雄名誉委員の想いを引き継ぎ今後もスポーツ界と社会の発展に尽力してまいります」と悼んだ。

 日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)も追悼談話を発表した。「突然の訃報に驚くとともに、大変悲しく、言葉がありません。

 誰もが認める『ミスタープロ野球』『昭和の大スター』であり、私にとっても『憧れの人』であった長嶋さんが亡くなられ、心の灯がひとつ消えた思いです。

 長嶋さんは大相撲も大好きで、何度も国技館にお越し頂きました。私はいつも『監督』と呼ばせて頂いていました。役員の親方とともに、国技館の花道で、監督と一緒に土俵を見守ったことを、今でも鮮明に覚えています。この思い出は、私の宝物となっています。

 監督、長い野球人生、本当にお疲れ様でした。また、たくさんの感動を頂き、本当にありがとうございました。

 天国では、野球とともに、大相撲も見守って頂き、力士らの活躍を楽しんでください。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。」と偲んだ。

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