町田・黒田監督「理想的な指導像見直す」原点回帰決意 パワハラ疑惑報道後1分け2敗で11位転落
J1町田の黒田剛監督(54)が23日、次節の湘南戦(25日、Gスタ)に向けた非公開練習後に取材に応じた。6日の一部週刊誌による自身のパワハラ疑惑報道以降、遠慮がちになっていた指導を省みて「黒田剛の理想的な指導像を自分の中で見直していく」と、原点回帰の決意を示した。
非公開だったこの日の練習場、指揮官に活気が戻った。「今日からかなり厳しく言った」。パワハラ疑惑報道から約2週間半、周囲の目を考慮し、厳しい言葉は封印してきた。だが、細部までこだわり抜く指揮官にとって煩わしい日々が続き、騒動以降はチームもリーグ戦1分け2敗。前節では今季初の連敗を喫し、2節で首位から11位に急転落したことで「割り切ってやる」と以前の自分に戻る覚悟を決めた。
一部選手からは「最近、監督が静かになっちゃった」と残念がる声も上がっていた。普段の練習から緩みがあると大きな声で指摘をし、空気をピリッとさせてきた指揮官の変化。どこか物足りなさを感じていたのかもしれない。監督自身も「選手たちに迷惑をかけてしまうことが一番良くない」と考えを改めた。
青森山田高を率い、日本一を7回経験してきた名将。積み上げてきた指導像は明確にある。「妥協するのは自分らしくない」。酸いも甘いも知る男が迷いを振り払い、再出発を切った。



