「やめてくれ。これが本音」柿谷曜一朗が引退会見でさらけ出した“天才”の重圧 C大阪サポの激励思いだし涙も

 元日本代表FW柿谷曜一朗(35)が23日、C大阪本拠地のヨドコウ桜スタジアムで引退会見を行った。

 4歳でC大阪のスクールに入り、2006年にはクラブ史上最年少の16歳でプロ契約。“天才”と称された屈指のストライカーはキャリアの出発点で現役生活を振り返り、「この年までサッカーを続けてこられた。自分ではすごくビックリ。正直、若い時は問題児でいろんなことを大人じゃないままサッカー選手になって、未熟なままでスタートしたなかで、まさか35歳までプレーするとは思ってなくて、お世話になってC大阪で活躍することを夢見てプレーしてきた。ある程度自分が思っていたような活躍はC大阪で僕はできたと思う」とすがすがしい表情だった。

 昨季でJ2徳島との契約は満了。現役引退を決めたのは年が明けてからのことだった。「(サッカーは)簡単で、こんな自分にあったスポーツはないと思ってやってきた。今思うのはしんどくて難しくて」と全盛期のモチベーションを保てなくなり、キャリアアップを目指す若手選手と同じ土俵で戦うことが「失礼やな」という思いがあった。

 「熱が冷めたわけではないですけど、新しいステージに挑戦してみたいというのが数年前からあった」とし、「サッカー系の文化人として幅広く、今までの経験を少しでも伝えられたら」と今後について言及した。

 周囲から『天才』『ジーニアス』と称されることについて、正直な胸の内も明かした。「『やめてくれ』と。これが本音です。天才と言われれば言われるだけ普通のプレーをミスするダメージがでかい。すごく正直嫌でした」と重圧を感じていた。

 引退会見をC大阪で行ったのは理由は「セレッソ大阪というクラブが僕の家であり、家族であり、そういう存在の場所」というクラブ愛から。21年には名古屋へ完全移籍し、同年のルヴァン杯では奇しくもC大阪と決勝で対戦した。古巣との大舞台での対戦はサッカー人生で最高クラスの緊張があったといい、複雑な心境だったという。

 それでも、C大阪サポーターからの「正直、曜一朗はセレッソの曜一朗だから、どうなろうとお前のプレーが楽しみなだけだから」と温かいメッセージが励みになった。当時を振り返ると、思わず涙があふれた。

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