斉藤未月が神戸完全移籍 昨年8月全治1年の大けが、復帰へサポート3年契約 永井SD涙で称賛「神戸の日本サッカーの宝」

 J1神戸は12日、元U-23日本代表MF斉藤未月(25)を湘南から完全移籍で獲得したと発表した。3年プラスオプションの長期契約で、背番号はこれまでと同じ「16」。期限付き移籍で加入していた昨年8月19日の柏戦(ノエスタ)で左膝の靱帯や半月板損傷などの大けが。全治約1年と診断されていた。神戸市内で会見した斉藤は、早期復帰とリーグ連覇への貢献を誓った。

 衝撃の大けがから5カ月、斉藤は晴れやかな笑顔で会見場に足を踏み入れた。「大けがを負ったことで、今まで積み上げたものが否定されるわけではない。より変化を自分に生み出したい」。表情には決意と自信がみなぎっていた。千布勇気社長(38)は「焦らず治してほしい。復活して力になってほしいという思いで長期契約を結んだ」と説明した。

 本人にもクラブにとっても悪夢といえる昨年8月19日の柏戦。相手DF2人と交錯し、左膝関節脱臼、左膝複合靱帯損傷、内外側半月板損傷で全治1年と診断された。クラブは復帰にかかる時間を加味して前保有先の湘南と慎重に交渉し、完全移籍での複数年契約を結んだ。

 現在のリハビリ状況について斉藤は「ジョギングまではいかないが歩けているし、いいトレーニングができている」と説明。松葉づえ姿で迎えた昨年11月25日のJ1優勝を振り返り「ああいう機会を神戸で増やしていかないといけないし、その力になる。次はピッチであの雰囲気を味わえたら」と自身の復活とV2を思い描いた。

 永井秀樹スポーツダイレクター(52)は、斉藤をサポートする理由について「神戸の、日本サッカーの宝」と表現。受傷時の様子を回想し、感極まり声を詰まらせる場面もあった。「とんでもないけがなのに本人は笑って『悲しい顔しないでください。絶対復帰します』と。人間的にも素晴らしい」と絶賛。呼応するように斉藤も「あのプレーに後悔はないし、いい変化につなげられれば。今シーズン中に復帰したい気持ちはあります」とポジティブな言葉で復活へ向けた思いを語った。

 ◆23年シーズンの斉藤 23年1月に湘南から期限付き移籍で加入。リーグ開幕からスタメンに定着し、守備的MFとして首位争いをするチームを支えた。8月19日の柏戦の前半22分、敵陣ゴール前で相手選手2人と激しく接触し、途中交代。三木谷会長は自身のSNSで、「全力でやります」など復帰に向けて全面支援する意向を明かした。斉藤は8月23日に手術を受け、11月21日に2度目の手術を受けた。

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