大久保嘉人が引退会見 冒頭「速攻で」涙 「最高のサッカー人生」200点への思いも

 涙ながらに引退会見を行うC大阪・大久保(撮影・吉澤敬太)
 涙を流しながら引退会見を行うC大阪・大久保(撮影・吉澤敬太)
 森島社長(左)と西澤氏(右)の両先輩からねぎらわれるC大阪・大久保(撮影・吉澤敬太)
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 今季限りでの現役引退を発表したJ1C大阪の元日本代表FW大久保嘉人(39)が22日、大阪市内のホテルで引退会見を行った。

 J1歴代最多の191得点を誇る希代のストライカーは19日に電撃的に引退発表。会見で「大久保嘉人は…今シーズンをもって…引退します」と、自らの口から涙ながらに語った。20年間を「最高のサッカー人生でした」と振り返った。

 「泣かない予定だったんですけど、速攻、泣いてしまいました。すいません」と照れた大久保。引退を決断した理由については、プロに入った時に「こういう引退をしたい」というイメージがあったといい、「自分が動けるうちに、まだまだできるだろうと言われるうちにやめたいと自分でも思っていたので、それが今なのかなと思い、決断しました」と語った。

 引退を決断したのは「11月の16日」とほんの最近だったと明かした。「ふと、車の中だったり、家にかえったり、1人の時間が多い時に」引退がよぎることもあった中、苦しい思いをまわりに見せずにいたことを「本当に細い糸が1本ぎりぎり繋がっているなという状態」と表現。その上で、「中で1人になったときに、ここでやめた方がいいのかなとふと思い。家で、その場でいまだと決めてすぐ、妻とかに伝えました」と語った。

 C大阪に移籍後、三男と2人で暮らしていたが、一度自宅に戻り、他の子供達に引退を報告しようとすると「5人目?女の子?」と言われたことも笑顔を交えて明かした。「また一緒に暮らせるうれしさと、サッカー選手でなくなる寂しさがあったように僕には見えました」と父親として振り返った。妻からは「本当にそれでいいの?」と問いかけられたという。

 J1通算200得点を目前にしての決断だったが、「それは結構、言われるんですけど…。取りたい…(涙を何度もぬぐう)、取りたい気持ちはありましたね」と絞り出した。ただ気持ちは整理がついているといい、「200得点とりたいという気持ちは誰よりも強かったですし、そのチャンスがあるのは自分だけだったので」とした一方で、「自分の中でもよかったら取れるだろうし、あと何年でとれるか分からないという気持ちはありましたし。それだったら、この時点で辞めたら自分的にはすっきりするだろうと思って」引退を決めたという。ただ、引退を公表したことで、「本当にすっきりして。そこを目指さなくていい。言われることもない。今は整理もついていますし、非常にすっきりした気持ちです」と思いを吐露した。

 会場にはバンドのMr.Childrenや、そのメンバーの桜井和寿と、GAKU-MCによるユニット・ウカスカジー、ミュージシャンのナオト・インティライミや、楽天の三木谷浩史会長兼社長、大久保自身の家族からの花も届いていた。

 大久保は長崎・国見高3年時に総体、国体、選手権の高校三冠を達成し、2001年にC大阪に入団。国内では神戸、川崎、FC東京、磐田、東京Vでプレー。川崎時代の13年からは3年連続でJ1得点王に輝いた。マジョルカ(スペイン)、ウォルフスブルク(ドイツ)と2度の海外挑戦も経験し、W杯には10年南アフリカ、14年ブラジルの2大会に出場した。J1通算475試合出場191得点。日本代表60試合出場6得点。

 今季はプロキャリアの出発点であるC大阪に15年ぶりに復帰した。昨季J2東京Vで無得点だったこともあり、サポーターからは獲得に批判の声もあがったが、開幕3戦連発と結果を出し、自らその声を払拭。しかし5月2日のG大阪戦(ヤンマー)で左ハムストリング筋損傷を負って戦線離脱。夏場以降はスーパーサブとして試合終盤での起用が続いてた。今季は6得点を決めている。

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