森保J 深刻な得点力不足“鉄板メンバー”の限界 古橋、田中の起用など配置に変化を

 「W杯アジア最終予選、サウジアラビア1-0日本」(7日、ジッダ)

 日本代表は7日(日本時間8日)、W杯カタール大会アジア最終予選第3戦でサウジアラビアに0-1で敗れた。1勝2敗で勝ち点3のまま。得失点差で3位に浮上したが、深刻なのは3試合1得点の得点力不足で、FW大迫勇也(31)=神戸=を主軸に据えた攻撃陣には閉塞感が漂う。森保一監督(53)が考えるほぼベストメンバーの布陣で喫した2敗。サッカー担当の山本直弘記者はオーストラリア戦でのFW古橋亨梧(26)=セルティック=やMF田中碧(23)=デュッセルドルフ=らの先発起用を提言した。

 あまりに重い敗戦であることは論をまたない。日本がW杯に出場した6大会(日韓大会を除く)の最終予選で3敗したことはない。吉田は「2敗まではできる」と努めて前向きに語ったが、7試合を残して早くもデッドラインに達した。

 最も深刻なのは得点力不足だ。1得点はB組最少で、3戦全敗の最下位に沈むベトナム(3得点)にも劣る。得点機がない訳ではない。前半24分に冨安のロングパスで浅野を走らせ、クロスを南野が頭で合わせた場面は狙いの一端が示されていた。同29分にも大迫が最大の決定機を迎えた。だが、ゴールを割ることはできなかった。攻守は表裏一体で、吉田も「攻撃と守備で分けて考えていない。FWのせいだけではない」と強調した。一方で「後ろから見て攻撃に怖さが少ないと感じた」と率直に語った。

 日本が敗れた2試合は、いずれも森保監督がこれまで選択してきたベスト布陣に近かった。オマーン戦は負傷の南野と移籍を控えていた冨安、サウジ戦は出場停止の伊東を除くといつもの先発メンバーだった。それでも2試合で勝ち点1すら取れなかった。

 森保監督の“鉄板メンバー”に閉塞感は漂っていないか。大迫、柴崎らは明らかに絶好調とは言いがたい。大迫は終盤に疲労困憊となっていたが、指揮官は3試合続けて最後までピッチに残した。選手の自主性を重んじ、信頼の置ける主軸を重用する手法に理解は及ぶが、結果が伴っていない現実もある。

 新たな競争原理を働かせ、変化を加える時が来ている。オーストラリア戦まで3日と時間が限られている中、監督交代は現実的ではない。であれば選手起用で変化を生み出すしかない。古橋を適性ポジションである1トップで起用する選択肢はないのだろうか。

 ボランチには田中も控えている。最終予選という修羅場の経験こそないが、森保監督は自身が指揮を執った東京五輪でその実力を熟知しているはず。繰り返し唱えてきた「1チーム2カテゴリー」の利点を、今こそ生かすべきではないか。

 大一番での入れ替えは“賭け”かもしれないが、オーストラリアに敗れれば指揮官の進退問題だけでなく、自動的に本大会出場権を得られる2位以内が絶望的となり、プレーオフに回る3位争いも現実味を帯びる。指揮官の決断に注目したい。

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