2021年のJ1は、20チーム中4チーム降格というレギュレーションで行われることになった。世界的にも4チーム降格制度は珍しく、イングランド・プレミアリーグも20チーム制ではあるが降格は3チーム。今季のJ1の厳しさは特別である。
「だからこそ、我々を含めて多くのチームが残留をまず目指すことになる。となると、まず守備の堅さを求めることが必定ですね」と語るのは、サンフレッチェ広島の足立修強化部長。昨年は降格がないシーズンだったため、大胆な若手起用やオープンな戦い方が多かったが、今年は一転して堅い闘いが多くなることは予測される。
ただ、「守備の堅さ」を目指すことがそのまま、自陣に引きこもる戦術にはつながらない。
広島は昨年から前からの守備によって相手陣内でサッカーをすることを基本ラインとして据えた。10月3日の鳥栖戦で青山敏弘が「正解が見つかった」と語るように、その戦術はチームに浸透。城福浩監督も「システム変更の可能性はあるが、目指すサッカーは変わらない」と語る。
「残留のために勝点1を拾っていくサッカーが今季の主流になるかも」と足立部長も想定する。ただ、失点を防ぐだけでは残留ラインとして想定される勝点44には届かない。点を取って勝つために相手陣内でプレーする広島のサッカーをブラッシュアップし、選手たちの成長も促したい。「新加入のFWはもちろん、既存の攻撃的な選手たちにも、10得点10アシストレベルの活躍を期待したい」と足立部長は言う。
世界の潮流はスピード化と高強度化であり、Jも例外ではない。圧倒的に攻守の切り替えが速い川崎の2冠がその証明であり、広島の方向性もそこにある。「最後まで諦めない広島らしさ」(足立部長)を前面に押しだしつつ、イノベーションをさらに加速していく。それが厳しい2021年を乗り切る道である。(紫熊倶楽部・中野和也)