森保ジャパンに足りないベンチワーク 前半優勢もメキシコに完敗…原口「なんで毎回」

 「国際親善試合、日本0-2メキシコ」(17日、グラーツ)

 日本は年内最後の代表戦で、メキシコ0-2で敗れた。前半に複数のチャンスを作り出すも無得点に終わり、後半に入ってからはシステムを変更してきた相手への対応に苦慮して失速。90分間を通じて決定力や試合運びの面で後れを取った。同じくW杯8強入りを目指すメキシコ代表との一戦で際立ったのは、ベンチワークの差。サッカー担当キャップが、森保一監督(52)の采配面の課題に迫った。

 日本代表とメキシコ代表が持つ“地図”には、「W杯ベスト8以上」という同じ目的地が記されている。ただ、互いの現在地以上に大きな違いは目的地へと踏破するための“装備”ではないか。

 それは両指揮官のベンチワーク。日本優位だった前半を終え、メキシコのマルティノ監督は中盤の主導権を奪回するために「通常は行っていないダブルボランチで守備を強化した」と布陣を変更。このタクトで戦況は一変した。相手の変化に対応できず、後半の日本の狙いはピッチを覆った濃い霧と同じく、何も見えなかった。

 森保監督は就任以降「勝つためにはピッチ内の修正力、対応力が大切になる」と選手に臨機応変に戦う柔軟性を求め続け、DF吉田も「大会が大きくなるほど外から変えられるものではない。中で判断して、自発的に変えていく」と話していた。変化する相手への対応は、ロシアW杯で夢敗れたベルギー戦で浮き出た課題であり、カタールへの旅路はその克服を追求する4年間でもある。

 だが、W杯7大会連続16強の実力国は、現状で選手の自主性だけでは手に余る相手。原口は「(ベルギー戦が)フラッシュバックした。実力がある相手に、終わった後、なんで毎回こうなるんだって」と唇をかんだ。戦いの風向きが変わった後半、選手の顔ぶれを変えるだけではなく、積極的にタクトを振ってピッチ上に変化を加えるべきではなかったか。3-6-1など戦いの幅を広げるトライをしても、高いレベルの相手に実践しなければ、刃は磨かれない。

 試合後、森保監督は「負けたショックはあるが、反発力を持って今後の成長につなげたい」と語るが、選手やチームの成長と同様にベンチワークの強化もW杯8強へは不可欠だ。現在地が記された地図を持っているだけでは、目的地へはたどり着かない。(デイリースポーツサッカー担当・松落大樹)

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