J1神戸「欧州から日本への扉を開いた」全ての始まりだったポドルスキ獲得

 全ての始まりはFWルーカス・ポドルスキ(34)の加入だった。元日の天皇杯決勝を制し、神戸は悲願のクラブ初タイトルを手にした。近年繰り返してきた積極的な補強が結実した形だが、その最初の大型補強がポドルスキ獲得だった。

 ポドルスキと神戸の交渉が公になったのは17年1月だったが、関係者によるとその1カ月前、16年12月にはポドルスキの代理人を通じて神戸に移籍の打診があったという。W杯王者にも輝いたドイツ代表の10番を受け入れることはできるのか。クラブ内には慎重な意見もあったが「これからはこういった移籍が主流になってくる。これをやれないようではクラブの発展はない」といった三木谷浩史会長(55)の言葉が獲得への推進力になった。

 神戸は当初17年1月中の加入を目指したが、条件面の隔たりもあってポドルスキの獲得発表は3月までずれ込んだ。まだJリーグの登録期間内だったが、当時所属していたトルコ1部ガラタサライがシーズン終了までの在籍を望んだこともあり、契約期間は17年夏からの2年半となった。

 奔放な言動は周囲を騒がせることもあったが、明るく飾らない性格でロッカールームなどはいつも賑やかだったという。17年7月のJデビュー戦で2得点。19年12月には最後となったリーグ戦でハットトリックを演じた。天皇杯決勝では先制点となる相手オウンゴールを誘発し、オフサイドとなったが一度はゴールネットを揺らした。節目での勝負強さは世界を渡り歩いた点取り屋の凄みを感じさせた。ポドルスキ加入後、神戸はMFイニエスタ、FWビジャ、DFフェルマーレンといった大物を次々と獲得していったが「欧州から日本への扉を開けてくれたのは間違いなくルーカス(ポドルスキ)だった」と関係者は振り返った。

 神戸はポドルスキとの契約延長交渉を行ってきたが、大幅減俸を含む条件面で折り合いがつかず20年1月に契約満了が発表された。ポドルスキは自身のインスタグラムに「日本ではたくさんの素晴らしい思い出ができた」と投稿し、日本への愛着をにじませた。そして「いつかまた戻って皆さんに直接お別れの挨拶をしたい」とも綴った。その言葉が現実のものとなる日を待ちたい。

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